「MOOC(ムーク)」とは、Massive Open Online Coursesの略で、インターネット上で誰でも無料で受講できる大規模公開オンライン講座のことです。

世界トップクラスの大学・機関によってさまざまな講座が提供されており、グローバルな高等教育のあり方を大きく変えるものとして、近年、注目が高まっています。

オープンエデュケーションの流れの中から生まれたMOOCには、個々の大学の枠を超え、複数の大学が講座を提供している世界規模のプラットフォームがあることや、入学試験などの選考なしで誰でも履修できること、レポート提出や試験を経てコースを修了すると、希望者には認定証(多くの場合有料)が発行されることなどの特徴があります。

学生、ビジネスパーソン、主婦、定年退職者といったすべての人々、あらゆる年齢の人々に対し、理系から人文系まで、これまではなかなか得られなかった大学レベルの学習機会を提供してくれるのがMOOCです。新たな才能が見いだされる場にもなっており、12歳のパキスタンの少女がMOOCで相対性理論や宇宙生物学などのコースを優秀な成績で次々に修了したというニュースは世界的に注目を集めました。

現在、英語圏ではMOOCのプラットフォームが数多くありますが、中でも規模が大きいもののひとつは、2012年に開設されたCoursera(コーセラ)。スタンフォード大学、ミシガン大学、プリンストン大学、ペンシルバニア大学など、2013年2月現在で参加大学は62に上り、日本の大学では東京大学が参加しています。また、同じ年に開設されたedX(エデックス)には、MIT、ハーバード大学、カリフォルニア大学バークレー校などが参加しています。

また、日本版MOOCとしては、JMOOC(ジェイムーク:日本オープンオンライン教育推進協議会)公認の配信プラットフォーム、gacco、OUJ MOOCなどがあります。JMOOCは複数の講座配信プラットフォームをまとめるポータルサイトの役割を果たしており、JMOOC経由でさまざまな大学、企業が配信する講座を選び、受講することができます。これまでにJMOOCからすでに50万人が学習しており、日本でもMOOCでの学びの流れはさらに拡大していきそうです。