近年、#Me Too運動に代表されるような職場のパワハラ・セクハラ行為が大きな社会問題となっているが、それにより退職する人はどれぐらいいるのだろうか? レバレジーズは2019年5月、「パワハラ、セクハラに関する意識調査」の結果を発表した。対象は、同社が運営するフリーター・既卒向け就職支援サービス「ハタラクティブ」に登録している18~30歳の男女281人(登録時の段階で正社員・契約社員・派遣社員)。調査期間は2019年4月12日~4月19日となる。
パワハラ・セクハラによる退職者、2019年の調査では4割に増加

■パワハラやセクハラで仕事を辞めたことはあるか? またその理由は?

パワハラ・セクハラによる退職者、2019年の調査では4割に増加
パワハラやセクハラで退職したことがあるかを調査したところ、全体の41.9%が「ある」と回答。また、ハラスメントの解決に様々な議論や対策がなされているにも関わらず、2018年の結果と比べて約12ポイントも増加していることがわかった。以下、回答者から寄せられた退職理由を抜粋する。

▼退職理由:パワハラ編
・他の従業員の前で暴力を振るわれたり、叱責されたりした
・早く仕事辞めろと毎日言われた
・残業をつけるな、定時になったら退勤を押せと言われる

▼退職理由:セクハラ編
・すれ違うたびにお尻を触られる
・過剰なボディタッチが多い
・性的な関係を迫られる
・卑猥な話題を出される
・出勤退勤時間をあわせてくる

■自分の周りでパワハラやセクハラで仕事を辞めた人はいるか?

パワハラ・セクハラによる退職者、2019年の調査では4割に増加
続いて、周りでパワハラ、セクハラを理由に退職した人がいるかを質問したところ、こちらも2018年と2019年を比較すると約21ポイントも増えている。その理由の一部は以下だ。

▼退職理由
・秘密をバラされてからかわれていた
・上司から無視をされ、嫌がらせを受けていた
・友人が出していた成果なのも関わらず上司に横取りされていた
・一緒にご飯にいってくれないと給与を下げる、クビにするなどと脅されていた

それでは、どのような行為がパワハラだと思われやすいのだろうか。最も代表的な意見は「人格を否定されたり、傷つけられたりすること」だった。その他にも、様々な言動、行為がパワハラへと繋がる恐れをはらんでいる。

1位:人格を否定されたり、傷つけられたりすること……21.1%
2位:肉体的な暴力を振るわれること……17.3%
3位:「お前なんかいつでもクビにできる」などと脅されること……12.3%
4位:自分だけが無視・仲間外れにされること……10.6%
5位:過剰なノルマを課せられること……7.7%
6位:同じ問題でネチネチと何度もいじられること……6.0%
6位:人前で叱責されること……6.0%
6位:残業の強要をされること……6.0%
7位:仕事を全く与えてもらえないこと……5.3%
8位:給料泥棒扱いされること……4.2%
9位:学歴による差別をされること……2.8%

同じく、セクハラについても意見を聞いた。

1位:マッサージと称して必要もないのに身体を触ること……15.7%
2位:しつこく食事やデートに誘うなど交際を迫ったり付きまとうこと……14.9%
3位:性的なからかいや冗談を言ったり、性的な噂を流したりすること……14.5%
4位:性的な内容の手紙やメールを送ったり電話をかけたりすること……14.1%
5位:過剰なボディタッチ……12.9%
6位:男女交際や性的な経験などについて尋ねること……7.2%
6位:容姿、体型、年齢などを話題にすること……7.2%
7位:裸や水着のポスターや写真などを職場に貼ったり置いたりすること……6.0%
8位:「まだ結婚しないの?」「彼(彼女)はいるの?」などとしつこく聞くこと……3.2%
9位:カラオケでのデュエットや酒席でのお酌を強要すること……2.4%
10位:女性(男性)だからと、特定の仕事を依頼すること……1.2%
その他:0.8%

ハラスメント問題は、信頼関係のズレやそれぞれの受け止め方によって、どの程度がハラスメントにあたるのか線引きがしにくいのが現状だ。セクハラにおいては、被害に遭った女性の中には睡眠障がいやパニック障がいといった、精神的な障がいを背負ってしまうケースもあり、男性が思っている以上に深刻な問題だと言える。職場の一人ひとりがパワハラ、セクハラに関する基本的な知識を備えた上で、日頃から相手を尊重し合える職場づくりに努めていくことが求められる。

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