約7割がSDGsに取り組んでいると回答
「SDGs」は持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指す17の国際目標のことで、2030年の達成を目指して、2015年の採択以降世界各国で取り組みが進んでいる。では、国内企業での取り組み状況はどうなのだろうか。月間総務はまず、「勤め先の企業はSDGsに取り組んでいるか」と尋ねた。すると、「取り組んでいる」は69.8%、「取り組んでいない」は20.7%だった。約7割と大半の企業で、取り組みを進めていることがわかった。また、同社が「具体的に取り組んでいる内容」を尋ねたところ、「CO2削減(低排出係数への切り替え、太陽光発電の導入)」や、「節水型トイレタンクに交換」、「フードバンクへの食料の提供」などの取り組み事例が寄せられたという。
17の目標のうち「働きがいも経済成長も」は総務部門が主体になって推進
次に同社は、「特に総務が主体となって取り組んでいる項目は何か」を尋ねた。すると、SDGsの17目標のうち、「働きがいも経済成長も」の項目が33.3%で最多となっており、以降は「すべての人に健康と福祉を」が30.9%、「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」が28.4%で続いた。半数の企業では「2030年に達成すべきゴール設定」ができていない
続いて同社は、「2030年に達成すべきゴールを定めているか」と尋ねた。すると、「定めている」は37%、「定めていない」は51.9%で、2030年までのゴールを定めていない企業の方が多数を占めた。SDGsに取り組むメリットを「実感できていない企業」は2割に達する
また、同社は「SDGsに取り組む上で“期待するメリット”と“実感するメリット”は何か」と聞いている。すると、“期待するメリット”のトップは「会社のイメージ向上」で69%が回答し、突出して高くなっていた。以降には、「社員の働きやすい環境の整備」(31.9%)と「会社の認知度向上」(28.4%)が続いた。一方、“実感するメリット”でも「会社のイメージ向上」が45.7%で、期待するメリットと同様にトップとなった。2位以下は、「会社の認知度向上」(19.8%)、「人材採用」が(14.8%)が続き、期待するメリットとは、項目に若干の違いが見られた。また「(実感する)メリットはない」と答えたのは23.5%となり、取り組みを進めていても効果を実感できていない企業がおよそ4社中1社あることがわかった。
人手・ノウハウ不足により、社内への浸透や社外へのアピールに課題を感じる声も
なお、同社は「SDGsに取り組んでいない」という企業に「取り組んでいない理由」を聞いている。すると、「人手(パワー)がない」と「何から始めたらよいかわからない」がともに4割以上で、以降には「経営者の理解が得られない」や「必要性を感じない」が共に2割以上で続いたという。最後に、同社が全ての対象者に「SDGsに取り組む上での課題」を尋ねると、1位は「取り組みを社内に浸透させるのが難しい」で56%が回答した。2位は「事業をSDGsと結びつけるのが難しい」の48.3%となり、3位は「取り組みを社外にアピールするのが難しい」の32.8%が続いた。
その他の自由回答では、「コストと相容れない部分があり、上層部の理解を得にくい」や「取り組みの大切さは理解できるが、実務との兼ね合いが図れず、手段が見つからないまま曖昧に進んでいる」などの声があったという。SDGsへの取り組みを進められない要因には、人手不足やノウハウ不足があるとわかった。