8割以上が環境目標への「具体的な取り組み方法は未策定」と回答
2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする“カーボンニュートラル”を目指すことを宣言した。それに伴い、SDGsやESG経営への取り組みが、大企業を中心に盛んになってきている。そうした中で、温室効果ガスの排出を削減しつつ生産活動自体の脱炭素化に向けた変革を進める「グリーントランスフォーメーション」(以下、GX)への取り組み状況について、中小企業の進捗度はどうだろうか。フォーバルはまず、「環境目標に対する具体的な取り組み方法や計画の有無」を尋ねた。すると、「具体的な取り組み方法が策定できていない(わからない)」が77.5%、「目標は設定したが具体的な方法については検討中」が17.4%だった。「具体的な取り組み方法や計画がある」との回答は5.1%にとどまり、環境に対する取り組みを進める中小企業は少数派であることがわかった。組織内に向けて「環境目標や取り組みへの理解促進」を行っているのは1割未満
次に同社は、「環境目標や取り組み計画の組織内への周知・理解の程度」について尋ねた。すると、「組織内において周知および理解に至っていない」が65.9%、「部分的であり、不十分な面がある」が26.8%となった。「組織全体への周知および理解ができている」という企業はわずか7.3%と1割未満だった。7割強が「従業員の環境に関する知識向上」に取り組んでいない
続いて、「環境に関する従業員への継続的な教育・啓蒙活動の実施状況」を同社が尋ねると、最多となったのは「従業員への環境に関する知識向上などの取り組みや活動ができていない」で、73.6%が回答した。次点以降は、「一部の従業員や部署に限られているなど全社的・継続的に実施できていない」(21.9%)、「e-ラーニングの実施や資料による情報共有を実施するなどして環境意識や知識向上への活動を継続的に実施している」(4.6%)となった。何らかの方法で教育・啓蒙を行っている企業の合計は26.5%と、4社に1社程度となっていた。