改正電子帳票保存法に「ほぼ完全に対応できている」企業はわずか2.7%に
2022年1月の「改正電子帳簿保存法」の施行後、企業における対応状況はどうだろうか。パイオニアによると、本調査へ回答をした税理士の担当クライアントは、約7割が個人事業主もしくは小規模事業者だったという。このことを踏まえ、パイオニアはまず、「あなたの担当しているクライアントで、現時点で『電子帳簿保存法の改正』に対応できている企業の割合はどれくらいですか?」と尋ねた。すると、「ほぼ完全にできている」との回答は2.7%にとどまった。また、「5割程度」以下の回答の合計が73.6%であったことから、多くの企業において、改正電子帳票保存法への対応が準備段階であることがわかった。電子帳票データの保存先のトップは「USBメモリー」
次に、同社は「あなたの担当しているクライアントでは、電子帳簿のデータの保存先としてどのようなものを採用していますか? 一番多いものを教えてください」と尋ねた。すると、「USBメモリー」が26.9%で最多だった。以下、「SSD」が18.3%、「HDD」が17.3%と続いた。“取り扱いが容易な機器”を保存先として使用する企業が多い傾向にあるようだ。データ保存に手軽な機器を使用する傾向も、「消失」を懸念する企業が多い傾向に
続いて同社は、「前問でお答えになった保存先メディアで、あなたが課題やリスクだと考えている点を3つまで教えてください」と尋ねた。すると、「データを誤って削除・上書きするなどのリスク」が51%で最も多かった。以下、「機器の故障などによるデータ消失」が48.1%、「長期保存性(経年劣化、買い替え、データ移行が必要など)」が39.4%と続いた。電子帳票保存で重視することは「セキュリティ」が最多に
最後に同社は、「あなたが電子帳簿のデータ保存で重要だと思うことを3つまでお答えください」と尋ねた。すると、「セキュリティ(パスワードの設定など)」が50%で最多だった。以下、「データ消失リスクが少ないこと」が45.5%、「長期保存できる耐久性」が32.7%と続いた。また、同社が「電子帳簿のデータ保存で困っていることや不便だと感じること」を自由回答で求めると、「経理用の保存先を準備するコストがかかる」や、「データ移行に手間がかかる」などといった声が寄せられたという。