「電力調達」、「蓄電池活用」、「水素製造・利活用」、「地域社会との共生事業」の4領域での協業
村田製作所は、2050年までにグループ全体の事業活動で使用する電力について、再エネ導入比率を100%とすることを目標に据え、国際的なイニシアティブ「RE100」への参加を表明している。今回の協業において、同社は三菱商事が運営する新規の太陽光発電設備から再エネ由来の電力を調達する。具体的には、2025年度までに7万kWの再エネ由来の電力を調達することで合意(具体的最終条件は最終協議中)しており、将来的には約3億kW分の再エネ由来の電力調達を目指すという。
なお、今回の再エネ電力の調達は、日本国内で運用が開始したばかりのバーチャルPPA(Virtual Power Purchase Agreement、仮想的な電力購入契約)スキームでの調達を前提とし、発電設備は三菱商事が新設する。
なお、バーチャルPPAとは、再エネ電力の調達方法で、再エネ発電事業者と需要家の間で「非FIT非化石証書」を直接取引する。本協業における概要は以下の図の通りとなる。
●水素製造・利活用の実証
村田製作所の国内工場内で、水電解装置を用いた水素製造および、水素の利活用に向けた実証を開始する。カーボンフリー電力由来の水素の製造・利活用を通じて、村田製作所でのモノづくりにおける温室効果ガス削減を目指す。
●地域社会との地域創生
村田製作所が掲げる「企業活動全体での社会課題解決」、「事業を通じた社会への貢献」と、三菱商事が目標とする「EX・DXの一体推進による地域創生」の実現を目指す。これに向けて、村田製作所の工場が所在する地域において、地域課題の解決および魅力ある自立分散型の街づくりをテーマに、自治体と共に社会・産業課題の解決を目指す。
●蓄電池活用による調整力事業
村田製作所の生産工場に導入する電力制御技術と三菱商事の電力事業の知見を組み合わせ、再エネの利活用拡大に伴い発生する系統不安定化の解消に資する取り組みを推進。
カーボンニュートラル社会の実現に向け企業の再エネ導入などの取り組みに注目が集まっている。両社の知見を活かした取り組みの実証効果を注視していきたい。