「仕事以外の生活の重要性」は若い年代ほど意識している
新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、働く人々は変化を余儀なくされた。では、在宅勤務が普及し始めた2020年と、在宅勤務の長期化が進んだ2021年で、働く意識はどう変わっているのだろうか。パソナ総研は「在宅勤務を行ったことで、『仕事』と『仕事以外の生活』のバランスについて、意識に変化があったか」を尋ねた。すると、最も多かったのは「仕事以外の生活の重要性をより意識するようになった」で46.9%となり、前回の46.1%と割合はほぼ同数だった。また、今回の結果を年代別に見ると、「20・30代の若年」ほど『仕事以外の生活の重要性』を感じているという傾向が見られた。
在宅勤務の定着で「スキルアップの意欲」が向上か。意識変化は30代で顕著
次に、「在宅勤務中に資格取得やスキルアップなどの研修意欲は高まったか」を尋ねた。すると、「意欲が高まり実際に開始した」が12.3%(前回10.1%)、「意欲は高まり具体的に計画中」が18.2%(前回同じ)となり、合計30.5%となった。前回調査の合計は28.3%で、今回は2.2ポイント上回った。年代別にみると、30代は今回の合計が41.2%となり、前回の33.8%から7.4ポイント上回った。パソナ総研によると、30代の増加幅が最も大きかったという。30代の約8割が「現在の会社でのスキルアップの必要性」を認識
さらに、スキルアップの意欲が高まったと答えた人に、「その理由」について尋ねると、「現在の会社でのスキルアップの必要性を感じたため」が67.5%で最も多く、前回の59.7%から7.8ポイント増加した。2位は、「時間に余裕が出来たため」(40.9%)で、前回(44.9%)を4ポイント下回った。3位以降は、「起業やフリーランスとして独立や転職に備えるため」が37.6%(前回37.4%)、「副業に必要なスキルアップのため」が30.1%(前回28.5%)となり、ほぼ横ばいとなった。
年代別にみると、トップの「現在の会社でのスキルアップの必要性をより感じたため」と回答した30代は、今回が78%と8割に迫った。
全体の4割で「職業選択や副業の希望」に変化あり。20~30代は転職も意識
さらに、「在宅勤務をきっかけに、職業選択や副業等への希望は変わったか」を尋ねた。その結果、「近い将来の転職を検討しはじめた(転職済みも含む)」が21.3%(前回16.6%)、「新たに副業を開始ないし検討し始めた」が14%(前回14.8%)、「希望する職務や就業先が変化した」が11%(前回9.5%)だった。これらの合計は46.3%と、前回結果の計40.9%を上回った。年代別では、「転職を検討し始めた」の割合が、20~30代が他よりも高い傾向にあった。全体の4割が「在宅勤務により幸福度が上がった」と回答
最後にパソナ総研は「在宅勤務により、幸福度は上がったか」を尋ねている。今回結果では、「上がった」が10.1%、「やや上がった」が35.6%で、合計45.7%となった。さらに、年代別では、「幸福度が上がった」と回答した人の割合は、20代が最も多く、次に30代が続いた。特に高い結果となったのは20代女性で、「上がった」が16.8%、「やや上がった」が55.1%となり、合計71.9%だった。「幸福度が上がった」とした回答者に「その理由」を尋ねると、トップは「通勤ストレスが軽減されたから」が75.1%だった。以下、「睡眠時間が増えたから」(51.5%)、「趣味やリフレッシュ時間が増えた」(47.9%)と続いた。