両者の強みを生かし、今後発展が見込まれる再生可能エネルギー分野での事業拡大をはかる
日本では近年、カーボンニュートラルの実現に向けて「再生可能エネルギーの主力電源化」が最重要課題に位置づけられており、その中でも「洋上風力発電」が切り札として注目されている。国を発注者とする複数の導入計画もすでに公表されるなど、洋上風力発電を取り巻く市場は、今後ますます拡大することが見込まれている。このような状況の中でエクシオおよび昭和電線HDは、洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギー分野を、長期にわたる有望な市場機会として位置づけた。それとともに、当分野への取り組みを通じて社会課題の解決に貢献することを重要な事業戦略のひとつとし、戦略的業務提携を検討してきた。
また、エクシオは、本年5月公表の長期ビジョン「2030 ビジョン」において、「カーボンニュートラルな社会」の実現を掲示。これまで取り組んできたメガーソーラーおよびバイオマス発電に洋上風力発電を加えることにより、再生可能エネルギー事業のさらなる拡大を目指している。
一方の、昭和電線HDも、高電圧電力ケーブル用コネクタ「SICONEX(サイコネックス)」とその接続工事システム「SICOPLUS(サイコプラス)」を戦略製品とする電力システム事業を、洋上風力発電分野で展開することで、一層の成長を目指しているという。
今回、両社グループの目指す事業戦略の方向性が合致したことにより、業務提携を開始。エンジニアリング企業としての実績を持つエクシオグループと、「電力ケーブル・関連部品の製造販売」と「施工技術」に実績を持つ昭和電線グループが、今後本格化が見込まれる再生可能エネルギー分野において、共に事業拡大を目指していくという。
単独では難しい場合でも、協業により自社の強みをより発揮し、新事業の拡大や事業の転換を実現できる場合もあるだろう。事業活動にも環境への配慮が求められる中、どのような取り組みが可能か検討してみてはいかがだろうか。