部下と上司のミスマッチを防ぎ離職防止を図るべく、担当する上司を指名へ
仕事との向き合い方は、結婚・出産・介護など、ライフステージの変化やライフイベントによってその都度変化する。さくら構造が新たに採用した上司選択制度は、このような自身の変化に対応し、その時々に合った適切な成長をもたらすことを狙いとする、新たな人事制度だ。同制度では、自身が所属する設計室長および上司を、部下自らが選択できる。部下が自分に合った上司を選ぶことで、ミスマッチを減らすことを目的としている。これにより、部下は「自身の育成に関わる上司を選べるため、キャリアアップに対して積極的になれる」、「成果が上がる・上がらないが自分事となる」などのメリットが得られ、上司も「できなければ自分の班が成り立たなくなるため、上司の資質として必要な『育てる力』が向上する」、「直接指名される関係性であるため、部下と円滑なコミュニケーションがとれる」などのメリットが期待できるという。
導入前は、一般社員からの反応は好意的だったものの、設計室長(上司)の中には、「自分の設計室が解散になるかもしれない」という不安を抱える人もいたとのこと、導入後は、異動希望が出せる制度が整備されたことで従業員満足度が向上し、すでに10名が本制度を利用しているという。
建築業界のみならず、今後も世の中全体で人材不足が進むと見られる中、自社の人材の離職を防ぎ、それぞれが活躍できる環境を整備することはますます重要となるだろう。上司部下間のミスマッチを減らす取り組みがさらに広まっていくか、今後の動向にも注目が集まりそうだ。