2050年カーボンニュートラルの実現に向け、燃料アンモニアのサプライチェーン構築へ
「燃焼時にCO2を排出しない」という性質を持つアンモニアは、大量のエネルギーが必要となる火力発電所や船舶用エンジン等に利用できる「次世代ゼロエミッション燃料」として有力視されている。また、アンモニアについては「製造」、「貯蔵」、「輸送」に関する技術がすでに確立されていることから、他のゼロエミッション燃料よりも早期の社会実装が期待されるエネルギーだ。また、2021年6月に策定された「グリーン成長戦略」においても、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、「燃料アンモニア分野」が重要分野のひとつとして位置付けられている。さらにオーストラリアとの関係においても、2021年6月13日に実施された日豪首脳会談で、燃料アンモニアを含めて「技術を通じた脱炭素化に関する日豪パートナーシップ」が発表されるなど、日豪が協力して「クリーン燃料アンモニア」に関する取り組みを進めていくことが決定している。
そこで本プロジェクトでは、天然ガス由来のアンモニア製造の過程で排出されるCO2を貯留および有効活用する技術と、植林等のCO2排出削減対策を組み合わせて製造された「クリーン燃料アンモニア」について、「オーストラリアでの生産」から「日本への海上輸送」、「発電用・船舶用燃料用途としての利活用」および、ファイナンスの検討等を含めた「サプライチェーン全体の事業化調査」を実施していくという。