「今が気候変動対策の転換期」という懸念は、経営者の6割が感じている
昨今の気候変動による環境変化は、自然災害を始め、産業・経済にもさまざまな影響をおよぼしている。間近に迫るこの脅威に、経営者たちはどのような見解を持ち、対策を講じているだろうか。はじめに「環境に関する各項目にどの程度同意するか」を尋ねたところ、「同意する/強く同意する」の合計が最も多かったのは、「すぐにアクションを起こせば、気候変動の最悪の影響を抑え込み、よりよい未来に向けて進むことができる」で63%だった。また、「世界は気候変動に関して転換点にあり、未来はどちらの方向にも向かい得る」が59%、「すでに取り返しがつかない状況であり、気候変動によって引き起こされた損害を修復するには手遅れである」が34%となった。過半数の経営者は、現在が気候変動の転換点であるという懸念を抱きつつ、アクションを起こせば最悪な状況は避けられ、未来に希望を持つことができると感じているようだ。
気候変動の取り組みは「従業員や取引先を巻き込んで実行している」フェーズ
続いて、「すでに講じている気候変動への取り組み」を尋ねた。その結果、最も多かったのは「公益観点を持ち、気候変動に対処するアクションを取る」で49%、2位は「サプライヤーや取引先に特定の気候変動に関する基準の順守を働きかける」で48%、3位は「より持続的な原材料を使う」で46%だった。これらを踏まえると、多くの企業で実際に具体的な対策が進められていることがわかる。また、昨年調査から数値が顕著に増えた項目を順に見ると、1位が「日常的な通勤を減らし、テレワークを推奨する」(+19ポイント)、2位が「経営層を教育する」、3位が「従業員のアクティビズムをサポートする」(いずれも+12ポイント)となった。昨年以上に、企業内部の取り組みが全社的な活動として浸透してきていることがうかがえる。