「気候変動によるリスク」を事業課題と認識し、ESGへの配慮で中長期的な企業価値を最大化
政府は2020年10月26日、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする、「2050年カーボンニュートラル」にて脱炭素社会の実現を目指すことを宣言した。これにともない、国土交通省でも気候変動の影響を踏まえた対策を検討・実施しており、不動産業界にも再生可能エネルギーの導入目標を開示するよう促している。一方タスキでは、「二酸化炭素の排出増による気候変動の影響は、不動産業界において資材調達や建築費用の高騰だけでなく、電気代やメンテナンス費用の増大につながる」と予測。街づくりの一部を担う者として、この状況を重要な事業課題として認識し、環境に配慮したIoTレジデンスの新シリーズ「タスキsmart」の開発に取り組んできた。
政府の発表を踏まえ、今回同社は「サステナビリティ委員会」の設置を決定。ESG(Environment・環境、Society・社会、Governance・管理体制)への配慮は、中長期的な企業価値の最大化につながると考え、同委員会の活動を通じてESG経営の推進を図るという。
サステナビリティ委員会の設置により、断続的な取り組みに
サステナビリティ委員会では、基本方針として「地球温暖化防止」、「環境マネジメントシステム」、「ステークホルダーへの情報開示」を掲げている。全社的にESG経営を推進させるため、代表取締役が委員長として就任し、取締役(常勤)を含む各部管掌役員を委員としている。今後は、サステナビリティ方針や戦略の策定に加え、目標設定や進捗状況のモニタリング、達成内容の評価を行い、断続的な展開をしていく予定だ。また、サステナビリティ基本方針に対する具体的な取り組みとして、次にあげるSDGsの目標を示している。
「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」
全ての人々に、手頃で信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」
強靭なインフラの整備により、包括的で持続可能な産業化を推進し、イノベーションの拡大を図る
「11.住み続けられるまちづくりを」
都市と人間の居住地を、包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする
「12.つくる責任 つかう責任」
持続可能な生産消費形態を確保する
「13.気候変動に具体的な対策を」
基本変動とその影響に立ち向かうために緊急対策を設定する
二酸化炭素排出による「平均気温上昇」や「海面上昇」などの気候変動は、深刻さを増している。企業や個々人の行動で対策できるものに積極的に取り組むことは、二酸化炭素排出量の削減、ひいては持続可能な社会の実現につながるだろう。