サステナビリティへの課題は「激しい変化への対応力」
新型コロナウイルス感染症拡大の影響による不測の事態の裏には、持続的な経営が改めて重要視されている。中小企業の後継者不足を背景に企業のサステナビリティに関する問題も浮き彫りになっているのだ。実際に、経済産業省および中小企業庁においても「事業承継ガイドライン」の策定や「事業承継税制の緩和」、「ローカルベンチマーク」の活用など、問題解決に向けた施策を講じている。Growthix Capitalによると、「GAFA」を中心とした海外でのスタートアップ企業の増加により世の中の動きが激動するなか、企業の経営継続にあたっては変化に対する臨機応変な対応が必要だという。これに対して、属人的な経営が多い中小企業は、短期的な利益を求める傾向にあり、状況に合った柔軟な対応が困難なケースが多い。そのため、経営状態が予期せぬ外的要因によって大きく左右されやすいとともに、事業継承時の後継者への引継ぎにも多くの時間を要し、企業運営がストップするといった影響も考えられるのだ。
「変化」を投じ、持続的な事業発展へ
Growthix Capitalはこの現状から、企業経営を「属人的」から「組織的」なものへと変革させることを必要と考えた。この考えに賛同したほか3団体と共に設立した「サステナ社団」は、中小企業を対象にプロ経営者となる人材発掘および育成や、第三者への事業継承においてもスムーズな会社運営を可能とするサステナビリティ認定パッケージを提供する。これにより、日本の中小企業の課題となっている事業継承問題の解決に向けて経営体制の「変化」を投じ、官民の中枢として持続的な事業発展を支援していくとのことだ。
人々の生活や世界経済が著しい変化を遂げるなか、企業経営を持続していくにはさまざまな状況に対する柔軟な対応が求められる。企業においても事業承継に対する選択肢の幅を広げ、サステナビリティの実現に取り組んでもらいたい。