2022年度に副業人材の活用を始めた企業は“前年比123%”。活用人数も増加傾向に
政府は昨年(2022年)に示した「骨太の方針」で、「人への投資」に重点を置くことを発表した。企業における副業人材の活用は「人への投資」を推進する目的の1つであり、自社社員のスキルや生産性向上にも寄与すると言われているが、実際に企業に対しどのような成果や効果をもたらすのだろうか。まずパーソルキャリアが、「副業人材の活用状況」について尋ねたところ、2022年度(2022年4月~2023年3月)に副業人材の活用を開始した企業は、全体の20.8%であることがわかった。2021年度(16.8%)と比較すると、23%増だった。
9割超が「会社への良い影響」を実感。生産性向上・スキルアップなどに寄与か
次に、同社は「副業人材の活用による会社への影響」について尋ねた。その結果、「良い影響を与えている」(29.3%)と「どちらかというと良い影響を与えている」(66%)の合計は95.3%となった。この結果から同社は、「副業人材の活用は、会社の事業やサービスだけではなく『人への投資』の目的の1つでもある、自社社員の生産性やスキル向上に寄与することを裏付ける」と推察している。
「副業人材の活用理由」に変化か。「人材不足解消」から「スキル・専門性の獲得」に
続いて、同社は「副業人材を活用する理由」について質問した。すると、全体の1位は「人材不足の解消」(46.5%)、2位は「スキル・専門性の獲得」(44.8%)だった。一方、2022年4月以降に活用を開始した企業に絞ると、1位は「スキル・専門性の獲得」(50.6%)、2位は「プロジェクト推進のスピードアップ」(48.2%)となり、副業人材の活用理由に変化が生じていることが明らかとなった。
同社はこの背景として、「副業人材活用が徐々に広がるにつれ、得られるメリットが明らかとなり、成果や効果に期待する企業が増加傾向にある」との見解を示している。