産学官それぞれの強みを活かし、専門知識を有したサイバーセキュリティ人材を育成
新型コロナウイルス感染症拡大を一つのきっかけとして、リモートワークの普及など、従来の働き方や生活様式が変容しつつある。今後もデジタル化は進み、デジタル空間はより一層「公共空間」としての重みを持つと考えられている。一方で、デジタル空間では、企業を狙った「サプライチェーン攻撃」や、個人を狙った「フィッシング」などが横行している他、福祉犯罪や特殊詐欺なども多発しており、犯罪とデジタル空間とを切り離すことは困難な状況だ。“社会の発展”と“安心・安全の実現”には、サイバーセキュリティの知識や、技能を有した人材の育成が課題になっているという。そこで今回、警視庁や中央大学、DNPらは、サイバーセキュリティの重要性を踏まえ、今後必要とされる人的・知的資源の育成に向けて人材育成および社会発展に寄与していくとして、「サイバーセキュリティ人材の育成に関する産学官連携についての協定」を結ぶことを決定した。
同協定に基づき上述の6機関は、「産」(DNP、Zホールディングス、MUFG)の強みである情報通信技術やリテラシー教育に関する知見、「学」(中央大学、明治大学)の学術研究に関する知見、「官」(警察庁サイバーセキュリティ対策本部)の犯罪捜査および情勢に関する知見を持ち寄ることで、人材育成に対する相乗効果を発揮していきたい考えだ。これにより、デジタル空間で起き得る犯罪などに対する脅威への対処能力を向上し、「Cybersecurity for ALL~誰も取り残さないサイバーセキュリティ~」の実現を目指していきたいとしている。
リモートワークを導入する企業が増え、デジタル空間の必要性が高まるとともに、セキュリティ対策の重要性もより一層高まっている。産官学連携によるサイバーセキュリティ人材の育成により、今後は専門知識を有した人材の採用も期待できるだろう。