7割以上が「リモートワークの普及」や「勤務場所の自由度」に関心を寄せている
各企業においてDXが推進される中、ITエンジニアの採用ニーズが高まりを見せているが、ITエンジニア自身は現状をどのように捉えているのだろうか。はじめにパーソルキャリアは、「現在の技術トレンド・環境変化」として同社が提示した20項目に対し、それぞれどのように感じるかを尋ねている。その結果、ポジティブな回答として「好ましい」と「やや好ましい」を合計した割合が高かった項目を見ると、「リモートワークの広がり」が75.7%、「リモートワークの普及など勤務場所の自由度の高まり」が75.5%、「働き方改革の促進/働き方に対する意識の向上」が67.4%などとなった。
一方、ネガティブな回答として「あまり好ましくない」と「好ましくない」の合計が高かった項目は、「ITエンジニア人材の不足」が43.7%、「終身雇用制度の衰退/人材流動化の加速」が21.3%、「能力主義の台頭」が14.2%などだった。
約半数が現在の仕事に「満足」の一方、給与面やスキル面で不安感を持つ人も
次に、同社が「現在の業務への満足度」を尋ねたところ、「満足」が8.5%、「やや満足」が38.4%で、合計46.9%がおおむね満足していることがわかった。あわせて、現在の仕事における「やりがい」を尋ねた質問では、「高い給与を得る」(38%)や「自分のスキルを向上する」(37.4%)、「顧客から感謝される」(31%)などに回答が多く集まったという。
その他、「自身のスキルが停滞しているように感じる」(25.7%)や「多様化するIT人材の中で勝ち抜けるか」(23.5%)、「将来のIT関連の新技術や変化に適切に対応できるか」(20.1%)といった、スキル面に関連する回答もそれぞれ2割を超えた。これに対し同社は、「ITエンジニアが『関心を寄せるトレンド』のネガティブな回答として3位に挙がっていた『能力主義の台頭』を裏打ちする結果が示された」とコメントしている。
4割以上が転職経験「あり」と回答。転職回数や理由には事業領域間で差も
次に、同社はITエンジニアのキャリアデザインについて調べるべく、「転職の回数」について尋ねている。すると、全体では「転職経験なし」が54.9%となり、転職経験のあるITエンジニアは45.1%いることがわかった。また、転職経験のある人の「転職の回数」を見ると、全体では「1~2回」が32.8%、「3~5回」が10.3%、「6回以上」が1.9%だった。
さらにITエンジニアを「B to B領域」と「B to C領域」の領域別に分けて回答を比較すると、「転職経験なし」の割合は「B to B領域」で59.3%、「B to C領域」で44.7%に。「1~2回」では、「B to B領域」で30.7%、「B to C領域」で37.8%となった。「B to C領域」のITエンジニアは、「B to B領域」と比較して転職回数が多い傾向にあることが判明した。
一方で、「B to C領域」では、1位が「キャリア形成目的や異なる職種/業種での就業意向」、2位が「給与面への不満」、3位が「スキルへの要望と現状の不一致」となった。
約3割のITエンジニアが1年以内に転職を予定していることが判明
最後に、同社は「転職検討・活動状況」を尋ね、「全体」と「領域別」の回答を比較している。その結果、「すでに転職が決定している」、「内定には至っていないが、今後1年以内の転職のためにすでに活動を始めている」、「今後1年以内の転職を考えている」の合計が、「B to B領域」は29.7%、「B to C領域」では38.9%で、約10ポイントの差があった。同社は、「B to C領域の方が、キャリアデザインに転職という手法を活用する意向が強い傾向が見られる」としている。なお、全体では、「すでに転職が決定している」、「内定には至っていないが、今後1年以内の転職のためにすでに活動を始めている」、「今後1年以内の転職を考えている」の合計が32.5%となり、3割を超えた。