デル・テクノロジーズ株式会社は2021年9月13日、「中小企業におけるテレワークに関する意識調査」の結果の一部を発表した。調査期間は2021年8月10日~13日で、全国の中小企業(従業員数1~99人)の経営者および会社員(20~69歳の男女)1,110人から回答を得た。なお、本調査は2020年3月、7月にも行なっており、今回が3回目となる。これにより、中小企業におけるテレワークの利用動向などが明らかとなった。今回発表されたのは、特に「テレワークの導入状況」に焦点を当てた調査結果だ。
中小企業におけるテレワーク導入率は3割以下に。障壁となる「コミュニケーション課題」の解決策とは

約7割の中小企業がテレワークを実施せず。導入率は前年と比べ低下

新型コロナウイルス感染症の流行が始まってから約1年半が経ついま、中小企業におけるテレワークの実施状況はどのようになっているのだろうか。

はじめに、「テレワーク導入率」について調べた。すると、「導入している」は26.8%と3割以下に。2020年7月に実施した同調査・同質問の36%から、9.2ポイント下がる結果となった。
テレワーク導入率

テレワークを初めて導入した時期は、「第1回緊急事態宣言」期間中が最多

続いて、「初めてテレワークを実施した時期」について尋ねた。すると、「2020年2月以前」からテレワークを実施していた企業が32.2%に。およそ3社に1社は、コロナ禍以前よりテレワークを実施していたことがわかる。とはいえ、最多となったのは「第1回緊急事態宣言」期間中との回答で、53%だった。以下、「第2回緊急事態宣言」が9.4%、「第3回緊急事態宣言」が3.7%、「第4回緊急事態宣言」が1.7%となった。「第1回緊急事態宣言」発出以降にテレワークの導入が加速し、その後もゆるやかな増加傾向にあることを示す結果となった。
初めてテレワークを導入した時期

約7割がテレワークとオフィスワークを併用

次に、「テレワークの実施頻度」について尋ねた。すると、「週1~2回」が40.3%で最多となり、以下、「週3~4回」が29.2%、「毎日」が24.5%と続いた。「毎日」および「その他」と回答した人を除く約7割が、テレワークと出社(オフィスワーク)を併用していることが明らかとなった。
テレワークの頻度

テレワーク実施者の半数以上は「概ね満足」。「不満」は1割未満

続いて、「テレワークの満足度」について尋ねた。すると、「満足」が24.5%、「やや満足」が31.9%で、合計56.4%がテレワークに概ね満足していることがわかった。一方、「不満」が3.7%、「やや不満」が6%となり、不満を感じている人は1割未満にとどまった。
テレワークの満足度

テレワークのメリットは「ワークライフバランスの向上」や「オフィスコストの削減」など

さらに、「テレワーク実施のメリット」について尋ねた。すると、「働き方改革の推進」が44%でトップに。以下、「ワークライフバランスの向上」が43.6%、「オフィスコストの削減」が29.9%、「業務生産性の向上」が24.8%と続いた。
テレワークのメリット

「コミュニケーション」や「従業員や部下の管理」など、対人面での課題が目立つ

また、「テレワークの課題や改善点」について尋ねた。すると、「コミュニケーションが難しい」が52%で、全回答者の半数以上に。続いて、「セキュリティ上のリスク」が26.2%、「従業員や部下の管理が難しい」が25.5%で上位となった。テレワークの環境下では、対人面での課題を感じている人が多いことが予測される。
テレワークの課題や改善点
中小企業におけるテレワークの導入は、2020年よりも減少傾向となり、オフィスワークと併用している人も多いことがわかった。「テレワークか、オフィスワークか」に関わらず、社員がコミュニケーションを取りやすくなるような施策を実施するなど、課題解決に向けて環境を整備していきたい。

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