7割以上の障がい者が「働くこと自体」に幸せを感じると回答
障がい者の法定雇用率の引き上げにより、積極的な雇用が進められている。では、障がい者自身は働くことにどのような考えを持っているのだろうか。はじめに「働くことを通じて感じる『幸せ』」に関する3つの問いを用意し、「そう思う」、「そう思わない」、「どちらでもない」の3段階で最もあてはまるものを選択してもらった。
まず、「働くことに幸せを感じる」については、「そう思う」が73.2%と7割を超えた。次に「他の社員と比較して働くことに幸せを感じるほうだと思う」という質問では、「そう思う」が50.1%、「そう思わない」が24.8%、「どちらでもない」が25.1%という結果だった。さらに、「幸せな気持ちを感じながら働くことが多い」では、「そう思う」が48.8%、「そう思わない」が28%、「どちらでもない」が23.1%だった。これらの回答結果から、幸せを感じながら働く人が多いことがうかがえた。
約6割が「新たな学びや成長」を得られるときに幸せを実感している
続いて、「働く上で、どのようなときに幸せを実感するか」について尋ねた。すると、「新たな学びや成長を感じるとき」が58.2%で最多に。以下、「体力的・精神的に安定しながら仕事ができているとき」が55%、「仕事への前向きな意味や、自分の役割を能動的に担えているとき」が46.1%と続いた。一方で、3位は結果が異なり、身体がいは「他者や社会に良い影響を与え、役に立てていると思えるとき」が45.7%で、精神障がいは「周囲から、自分や仕事への関心や高い評価・評判を得られていること」が46.9%でランクインした。障がいの特徴によって、幸福を感じるポイントは異なることが示された。
半数以上が「体力的・精神的に不安定な状態」だと幸せを実感できない
一方、「働く中で幸せを感じられないときや、不安や不満を感じるとき」について尋ねた。すると、「休息が取れず、体力的・精神的に不安定になったとき」が52.9%で最多だった。以下、「周囲から自分や仕事への関心や評価・評判が得られないとき」が43.5%、「仕事や役割への意義が見いだせないとき」が40.1%と続いた。「働く中で幸せを実感できない」ことが転職意識に影響している
最後に、「働く中で幸せを感じられないとき」についての回答結果を、転職意向の状況別にまとめた。「転職活動中」の回答者から最も多くの支持を集めたのは「周囲からの関心や高い評価・評判が得られない」で、54%となった。以下、「体力的・精神的な不安定さ」が51.7%、「障がいや特性に対する周囲の理解が得られない」が49.4%と続いた。「転職を検討中」で最も多かったのは「体力・精神的な不安定さ」で、54.1%が回答。以下、「仕事や役割への意義が見いだせない」が47.7%、「周囲からの関心や高い評価・評判が得られない」が46.5%と続いた。