7割以上のグローバル人材は、新型コロナの影響で転職意識に変化
新型コロナの流行を機に人々の働き方は転換点を迎えているが、グローバル人材の転職への意識はどのように変化しているのだろうか。はじめに、「新型コロナの影響を受け、転職活動への意識は変化したか」と尋ねた。すると、「変化した」との回答は75%となった。新型コロナの影響は、転職先選びにも大きく影響しているようだ。
転職活動で重要視すること、第1位は「リモートワークの有無」
続いて、「転職意識が変化した」と回答した人に「転職活動で重視すること(入社の決め手)」を尋ね、回答を“コロナ禍以前と以後”に分け、ランキング形式で比較した。その結果、“コロナ禍以前”は1位が「給料」(237名)に。以下「勤務地」(196名)、「キャリアアップ」(141名)、「ワークライフバランス」(128名)、「オフィス環境」(124名)となった。一方、“コロナ禍以降”では1位が「リモートワークの有無」(263名)となり、以下「勤務地」(220名)、「働く時間の柔軟性」(215名)、「ワークライフバランス」(206名)、「給料」(195名)となった。
“コロナ禍以前”で重視することの1位は「給料」だったが、“コロナ禍以降”は5位へとランクダウン。代わりに、以前は12位だった「リモートワークの有無」が1位となり、11位だった「働く時間の柔軟性」も3位へとランクアップした。このように、転職先の企業に対して「リモートワークの有無」や「働く時間の柔軟性」を重視する人が増加していることが明らかとなった。
コロナ禍の転職市場で「自分の価値」は上がった? 下がった?
また、コロナ禍における転職市場での「自分の価値の変化」について尋ねると、「(市場価値が)上がった、または変化なし」との回答は、合わせて42%に。これに対し「下がった」と感じる人は32%という結果だった。自身の価値が「上がった」または「下がった」とした人に、自由記述でその理由を聞くと、以下のような回答が得られた。<価値が上がったと感じた人>
・企業にオンライントレーニングを提供しており、仕事の依頼が増加(フィリピン)
・パンデミック中にスキルアップしたため(イギリス)
・コロナ禍で時間ができたので、仕事関連の勉強と語学の勉強をしてスキルアップした(フィリピン)
<価値が下がったと感じた人>
・海外渡航制限のため、夢の実現やキャリア形成が難しくなった(日本)
・自身の職種はビジネスの機会が増えたが、応募者も増えたため競争率が上がった(シンガポール)
コロナ禍においては、オンラインでも仕事が進められる職種の人は、仕事や転職に対する不安を感じることが少ない傾向にあり、さらに「これを機にスキル・キャリアップしたい」と考えていることがわかる。一方で、「自分の価値が下がった」と感じる原因としては、新型コロナで渡航制限がかかり、キャリア形成が難しくなったことなどが影響しているようだ。