6割以上が「研修の半数以上をオンラインで実施」、対面と比較した理解度は?
コロナ禍で企業の研修方法にも工夫が求められるなか、オンライン研修はどの程度浸透しているのだろうか。はじめに、2020年に実施した社員研修について「オンライン実施と対面(オフライン)実施の比率」を尋ねた。すると、「全てオンライン」が17.5%、「半分以上オンライン」が34%、「オンラインと対面が半々」が12.6%となった。合計すると、全体の64.1%が「半分以上の研修をオンラインで実施」していたことになる。新型コロナウイルス感染症拡大で、働き方だけでなく研修においても多くの企業がオンラインの活用へ移行した様子がうかがえる。オンライン研修における課題は「社員同士の関係性」、「他者からの気づきがない」など
続いて、「オンライン研修で人事・教育担当者として不安や不満に感じたこと」を尋ねた。すると、最も多かった回答は「社員同士の関係性が強くならない」で53.2%と過半数が回答。以下「他者からの発見、気づき、刺激がない」(42.9%)、「実施できる内容に限りがある」(41.6%)などとなった。対面と異なり、各々が離れた環境で研修を受けるため、参加者同士の交流不足や、それにともなう刺激不足を懸念しているようだ。個別回答でも、「自分以外の人の動きや様子から気づきを得ることや、休憩時間等のコミュニケーションが不足している」、「対面研修の減少によりコミュニケーション機会が少なくなり、新入社員同士での交流や情報共有機会も減少しているようだ」などの声があがった。
6割以上が「オンライン化により実施しなくなった研修がある」と回答
更に、「オンライン研修に切り替わった結果、対面で行っていた研修で実施しなくなったものがあるか」を尋ねると、64.9%が「ある」と回答。具体的には、「ロールプレイング」、「グループワークによる演習授業」など、受講者間の会話や交流がポイントとなる研修内容があがった。前設問で「社員同士の関係性や他者からの気づき」の不足を課題視する回答が多かったのは、そもそもそれらの醸成につながる研修がオンラインでは実施しにくかった、という一面があるようだ。2021年に「研修の半数以上をオンラインで実施予定」は5割弱
最後に、「2021年に計画している社員研修のオンラインと対面実施の比率」を尋ねた。その結果、「全てオンラインで実施予定」(8.7%)、「半分以上オンラインで実施予定」(24.3%)、「オンラインと対面半々を予定」(16.5%)となった(2021年1月調査時点)。これらを合わせると、半数近い49.5%がオンラインでの実施を予定している。未定が29.1%あったことも踏まえると、2020年と同様にオンライン研修を継続する企業が多いと想定される。「オンライン研修を多く実施する理由」を尋ねると、「新型コロナの感染拡大が気になるから」が70.6%で最も多かった。一方、「対面研修を多く実施する理由」としては、「オンライン研修では実施内容に限りがある」が62.5%で最多となっている。