株式会社ベイニッチは2020年10月15日、「21卒就活生の選社軸とSDGsの関係性」に関する調査結果を発表した。調査期間は2020年10月2~5日、東京都在住で2021年春に入社予定の就活生109名より回答を得た。これにより、就活生のSDGsの認知度および企業選定における重要度が明らかとなった。
SDGsを認知している就活生は約7割。「目標への取り組み姿勢」は就職先を選定する判断軸に

就職先の選定では、6割以上が「仕事内容」や「雰囲気」を重視

就活生が会社を選ぶ際、「企業がSDGsに取り組んでいるか」という点はどの程度影響しているのだろうか。はじめに、「就職先企業を選ぶ上で重視した点」を尋ねた。その結果、「仕事内容が魅力的」が62.4%と最多で、「職場の雰囲気が良い」が60.6%、「福利厚生が充実している」が51.4%と続いた。これに対し、「SDGsへの取り組み」と回答したのは6.4%という結果に。少数ではあるが、SDGsへの取り組みを重視する就活生もいるようだ。
SDGsを認知している就活生は約7割。「目標への取り組み姿勢」は就職先を選定する判断軸に

SDGsを重視する理由のトップは「企業の社会的役割」。8割以上が就職先選定にも影響

前設問で「SDGsへの取り組み」と回答した就活生に「その理由は何か」を尋ねた。すると、「企業の社会的役割を重視したい」が71.4%、「将来性のある企業だと判断できる」が42.9%と続いた。社会に対する企業の貢献度を重視し、将来の展望も視野に入れて就職先を選んでいることがうかがえる。
SDGsを認知している就活生は約7割。「目標への取り組み姿勢」は就職先を選定する判断軸に

約7割が「企業CMやホームページ」でSDGsの取り組みを認知

続いて、「企業のSDGsへの取り組みをどのように知ったか」については、「企業CMまたは企業ホームページ」が71.4%と、次位に大きな差を付けてトップだった。以下、「メディア(ニュース・新聞・WEBサイトなど)」、「会社説明会・インターシップ」、「採用ホームページ」、「イベント・セミナー」が同率で28.6%となった。企業の取り組みをCMや自社のホームページで積極的に情報発信することは、就活生へのPRにもつながるようだ。
SDGsを認知している就活生は約7割。「目標への取り組み姿勢」は就職先を選定する判断軸に

8割以上が「SDGsへの取り組みが企業選びに影響」と回答

次に、「企業のSDGsへの取り組みは企業選びに影響したか」と尋ねた。その結果、「とても影響した」が42.8%、「少し影響した」が42.9%と、合計85.6%が「SDGsの取り組みが就職先を選定する際の判断基準になった」と回答した。

その理由には、「SDGsへの取り組みをしている企業は相対的に女性が働くための環境作りもしているから」や「環境に配慮した就職先を探していたため、SDGsの取り組み姿勢を見ていた」などの声があがった。
SDGsを認知している就活生は約7割。「目標への取り組み姿勢」は就職先を選定する判断軸に

7割以上が「SDGsを知っている」と回答。最も関心がある項目は「ジェンダー平等」

次に、「SDGsについてどの程度知っているか」を尋ねた。その結果、「内容を詳しく説明できる」が20.1%、「内容をある程度知っている」が50.5%と、合計70.6%が内容を把握していると回答。「全く知らない」との回答は8.3%に留まった。SDGsは就活生の間でも幅広く認知され、関心を寄せているテーマであることがわかる。
SDGsを認知している就活生は約7割。「目標への取り組み姿勢」は就職先を選定する判断軸に
続いて、前設問で「内容を詳しく説明できる」、「内容をある程度知っている」、「聞いたことはあるが、内容は知らない」と回答した就活生に、「SDGsの17目標のうち、関心が高いものは何か」を尋ねた。すると、達成目標の「5番:ジェンダー平等を実現しよう」が42%と最も多かった。次いで、「4番:質の高い教育をみんなに」が31%、「1番:貧困をなくそう」と「3番:すべての人に健康と福祉を」が27%という結果になった。
SDGsを認知している就活生は約7割。「目標への取り組み姿勢」は就職先を選定する判断軸に
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、企業の「持続可能性(サステナビリティ)」への関心はますます高まっている。こうしたなか、企業価値を向上させ、「将来性」をアピールするためにも、SDGsへの取り組みに参画して具体的な内容を謳っていく必要があるだろう。

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