新卒一括採用から「通年採用」へ移行
経団連と大学側が通年採用への移行について合意したことにより、新卒学生の就職活動と企業の採用マーケットは多様な変化を見せている。これを背景に、配属先や職種を定めない「総合職採用」から、仕事内容や活かせるスキル、専門性、キャリアパスを明確にした「職種別採用」へと、採用手法が転換期を迎えている。「職種別採用」の導入は、「新卒入社後3年以内の離職者が35%以上存在する」「採用目標が達成できない」など、企業が抱える新卒採用の課題解決にも有効だ。採用のミスマッチを防ぐことにより、専門スキルを持つ人材の育成や定着、海外人材や留学経験者など多様な人材の活躍が期待されるだろう。時代の移り変わりとともに、求められる採用の在り方とは
同社がオープンする新卒採用サイトは、今後主流となるであろう「通年採用」に対応しており、業界初となるサービスだ。仕事内容や活かせるスキルを明確にする「職種別掲載」や、ピンポイントなアプローチを可能にする「ダイレクトスカウト」機能などを搭載することによって、ミスマッチのない採用を目指す。「総合職採用」を基本とした従来の新卒一括採用は、会社の知名度や雰囲気を学生たちへアピールし、母集団を集めることが一般的だった。一方、「職種別採用」をスタンダードとする通年採用では、職種ごとの具体的な仕事内容や身につくスキルを学生に訴求し、適性のある人材をピンポイントで集めることが必要とされる。採用の在り方は、「内定辞退を見越して母集団を集める採用」から、「自社にマッチした適性のある人材をピンポイントで集め、育成する採用」に変化しようとしている。