相談内容は「職場の悩み」、「キャリアに関する悩み」が増加
寄せられた相談のなかで「悩み」に関する項目に注目して結果を前年と比較すると、心身の不調や家族に関するものが減少した一方で、「職場の悩み」が27.3%から37.9%に、「キャリアに関する悩み」が8.9%から11.7%にと、いずれも増加している。職場の悩みのなかでも「パワハラ」「人間関係」は年々増加傾向に
最多件数となった「職場の悩み」について内容別に件数を見ると、「職場の人間関係」、「パワハラ」、「労働条件」、「業務量・時間外労働」の4項目が増加。なかでも「パワハラ」は一昨年から増加の一途をたどっている。それ以外にも「休職・復職」や「解雇」、「その他ハラスメント」なども挙がり、職場での悩みは多岐にわたっていることが分かる。これらの「職場の悩み」は、大きな社会問題としても注目されており、企業が解決すべき喫緊の課題ともいえるだろう。
相談相手に選ぶのは、「職場の悩み」を話せる人が対象
今回の電話相談は、昨年に比べて相談者数・件数ともに約2割減少したが、企業に所属している正規・非正規社員からの件数・割合は増加している。その影響からか、身近な相談相手としては「同僚」(58%)、「上司」(63%)、「家族」(68%)と、職場環境に近しい関係性にある人を選んでいる傾向が見られ、その件数は前年比で倍近くに増加している。20代、30代の若手層の相談件数が増加
年代別相談人数を見ると、2018年・2019年ともに50代からの相談件数が全体の3割を占め最多となっている。相談者数自体は減少しているなか、20代と30代が増加していることが今年の特徴として挙げられる。20代、30代が相談した悩みは、「職場の悩み」が最多で、次いで「メンタル不調・病気の悩み」となり、この2項目が回答の7割近くを占めている。企業の将来を担う若い世代が、仕事や職場での悩みを抱えていることが多いと分かる。
企業は、法案の遵守という観点からだけでなく、社員のライフワークバランスを重視するという意識を持ち、誰もが働きやすい環境を整えていくよう対策を打つことが求められる。
【参考】厚生労働省:平成30年版過労死等防止対策白書