約6割がテレワーク時のセキュリティに不安
東京オリンピック開催を前に、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方として、政府や東京都などが中心となり「テレワーク」推進に力を入れている。実際どの程度の企業がテレワークを実施しているのだろうか。職場のテレワークの実施状況を尋ねる質問には、全体の72.2%が「テレワークを実施している・あるいは試験的に実施している」と回答した。続いて、「テレワーク時のセキュリティに不安があるか」との問いに対しては、「不安がある」(19.2%)、「少し不安がある」(40.4%)との回答が合計で59.6%となり、6割近くの人たちがセキュリティに不安を感じていることが分かった。
セキュリティ対策は、個人ではなく職場が講じるべき?
また、「あなた個人のセキュリティ対策に問題があると思うか」という質問に対しては、「問題がある」(6.6%)、「少し問題がある」(29.8%)を合計すると36.4%となり、セキュリティ面での問題は、個人で対策すべきというよりも職場が対策を講じるべきと感じている人が多いことが判明した。「意識向上」「ルール整備」を期待。一方で求められる「利便性の確保」
テレワーク時のセキュリティについて、具体的にどのような不安があるのかを尋ねると、「人によってセキュリティ意識にばらつきがある」という意識に関する声や、「守るべきデータの定義が曖昧」「具体的な規定、対策がない」といったルールに関する声が聞かれた。一方で、「セキュリティが厳重すぎることで利便性に欠ける」という意見も挙がっている。セキュリティ意識向上のための研修やルール整備などの対策が求められるが、それを厳しくしすぎることで起こり得る利便性の損失は避けたいと考える人もいるということだ。ワークライフバランスの実現、人口減少時代における労働人口の確保、地域活性化などへの効果的な一手となり得る「テレワーク」。導入を検討する企業においては、テレワーク環境の整備も同時に進めることが必要と言えるだろう。また、実際にテレワークをする個人に対しても、セキュリティ意識を高く持つよう促す取り組みも重要となりそうだ。