時間をかけてしっかり作らせれば、やらされ感のないコミットメントが高い目標を立てさせることは可能です。
組織の問題を把握して、根本問題を掘り下げ、解決するために取り組む課題を設定し、成果設定(期限と数値)を決める流れです。
自分がなんとしても成し遂げるぞというコミットメントを引き出すためには、じっくり時間をかける必要があり、どうしても最低でも2時間はかかってしまいます。
そしてその目標を達成するための行動の計画を立てさせることもあるでしょう。アクションプランですね。こちらは目標と違い実際職場に戻った後、どう行動するかを決めさせるものです。
ここで考えたいのは、確実に職場で行動を実践させるためには行動計画もしっかり立てさせる必要があるということです。もちろんぜいたくな研修時間があり、じっくり目標設定も、行動計画も立てる時間があるのであれば、問題ありません。
ところが、限られた時間の中でやらねばならないのが研修の宿命です。
そのとき目標のコミットメントを優先するのか、職場での行動を優先するのかによって設計が変わってくるのです。
もし職場での行動を優先する場合は、アクションプランのセッションに時間を費やすことが重要です。
そのためには、目標設定を選択型にする手法があります。いくつか目標をあらかじめ用意しておきそれを提示するのです。選択型ですので、じっくり作る方法に比べ時間は短くて済みます。
ただこの選択型の目標設定セッションは注意点が必要です。
用意された目標の意味や価値を1つ1つ丁寧に説明することです。
目標設定でもっとも重要なのは「揺らぎのない目標設定」です。
すなわち自分が成し遂げたいと本気で思い込む目標です。
じっくり作った目標でなく、用意されたものから選択する場合であっても、その目標を達成することが自分にとっても重要である、価値があると認識することによって、「揺らぎのない目標」になり得ます。
一番いい手は、その目標達成によってこんないいことがあったという経験談を先輩社員から話してもらうことです。ロールモデルのような存在ですね。
きれいな研修メソッドもいいですが、先人たちの経験が一番の教材になります。
研修講師一人に頼ることもないのです。
ゲストとして何人かの社員に話してもらう時間を作るのも研修設計において重要なファクターなるのです。
さあ!
『研修担当の皆さん!目標達成に「選択式」も活用してみよう』
~やりっぱなし研修撲滅宣言~
「研修」が変わる「行動」が変わる45の具体策
永谷研一著
『人材育成担当者のための絶対に行動定着させる技術』(書籍版)
『人材育成担当者のための絶対に行動定着させる技術』(Kindle版)
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