その行為を「内省」と言います。
すなわち、“うちをかえりみる” ことです。
誰でも目標達成のために行動計画を立てると思います。
必要があります。
計画どおり行動が「できても、できなくても」よいのです。
いずれも貴重なあなたの経験なのです。
ところが、「できなかった方」ばかりに目がいくのが人間の
特性です。
いわゆる反省です。
すると、「心の中で自分の本音に触れることを阻む壁」
が厚くなり「ペルソナ(表面的な人格)」で取り繕うよう
になっていきます。
実は、この「心の扉」を開ける行為があります。
それが「できたこと」を見つめる行為です。
経験から学びとるためには、素直に自分の本音
と向き合う必要があります。
そのためには自己肯定感が必要です。
要は「自分のことが好きである」という状態です。
ただ無理矢理「自分を好きになろう」としても
精神論や根性論となってしまいます。
そこで「できたこと」を見つめるのです。
仕事をしていく中で誰でも「できたこと」がたくさんあります。
「できた事実」を見つめることで自分で自分を認めていきます。
すると自己肯定感が上がり、心の扉が開くのです。
内省は、誰かに認められるために行う行為ではありません。
自分のために行う行為です。
よってとっても小さい「できたこと」でもよいのです。
営業マンなら「アポ一本取れた」
エンジニアなら「プログラムを一本書けた」
学生なら「90分集中して授業を受けられた」
他人の目は全く気にすることはありません。
小さくても「できたこと」。ここが重要なのです。
自己を肯定することができたら
次にやるべき「思考」があります。それが
「果たして本当にできたと言えるのか?」
という本質的な質問で「自らを問う」ことです。
「できた」ことを、疑ってみて、
これで目標に近づけたかな。
もっと別の方法があったのではないかな。
この程度で「できた」って言えるのかな。
と事実と向き合い、本音で深く思考するのです。
この思考法は専門的にはクリティカルシンキングと言われます。
この「自問力」を高める行為こそが、自らを成長させるために
もっとも重要な思考習慣となるのです。
教育担当者にとっては、学習者ひとり一人が、自分の
行動を肯定的に見つめることができるように、学習環境
をデザインする必要があるのです。
なぜなら、正しい内省ができないと自立的な次の行動
に結びつかないからです。
自立型人材育成と言われて久しいですが、本当に
私たちはその意味が分かっているのでしょうか。
考えて行きたいテーマです。
さあ!
『研修担当の皆さん!経験を肯定的に見つめさせよう!』
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~やりっぱなし研修撲滅宣言~
「研修」が変わる「行動」が変わる45の具体策
永谷研一著
『人材育成担当者のための 絶対に行動定着させる技術』
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