リーマン・ショックが起きる直前まで、日本は平成バブルと呼ばれていましたが、前年12月1日時点の就職内定率でも81.6%でしたから、2015年3月卒業予定者の就職内定率はかなり高いと言えます。2016年3月卒業予定者の求人倍率は前年よりも高くなることが予想されており、就職内定率は平成になってからの最高を記録する可能性が大きいと思われます。
さて、今回も採用担当者を対象に昨年末に実施した「2016年新卒採用動向調査」の結果を基に、各企業の動きを見ていきたいと思います。
2016年新卒採用の「より重要な施策」は「学内企業セミナー」「自社セミナー・説明会」
「2016年新卒採用でより重要になると思われる施策」を聞いてみました[図表1]。「学内企業セミナー」(63%)と「自社セミナー・説明会」(62%)の二つが、他の施策を大きく引き離す結果となりました。採用スケジュールの変更を受けて1年前にも同様の質問をしましたが、その時のトップは「自社セミナー・説明会」(42%)で、「学内企業セミナー」は40%で2位でした。「学内企業セミナー」だけでなく、「キャリアセンターとの関係強化」が43%で3位に入るなど、「大学対策」が重要なキーワードなっていることは間違いありません。
学内企業セミナー参加校は「増加傾向」
学内企業セミナーに参加する予定の学校数については、前年と「変わらない」とする企業が42%と大半を占めるものの、「増やす」と回答した企業34%に対して、「減らす」と回答した企業はわずか2%であり、全体的には増加傾向となっています[図表2]。ターゲット校の範囲を広げるというよりは、これまで参加できていなかったターゲット校への参加を着実に増やしていこうとしているようです。結果、「300名以下」の企業の学内企業セミナー参加学校数は、8割以上が「1~10校」にとどまります[図表3]。「1001名以上」の大企業では、「1~10校」が36%で最も多いものの、「11~20校」が24%、「21~30校」が28%と、それ以上の学校数も多くなっています。中には「101校以上」という企業もわずかながらあるようです。