またその目標達成のための【行動計画】の立案も行うこともあるでしょう。
目標設定
↓
行動計画
という流れです。
実はこの目標設定から行動計画の流れが一番「講師の腕」によって差がでる部分なのです。
大成功と大失敗に大きく分かれやすい部分です。
ここで言う「失敗」とは、行動計画がまともに書けない人がいる場合を指します。
アクションプランがまともに立てられないのであれば、職場に戻った後の行動につながるはずがありません。
研修がやりっぱなしになり、無意味なものになってしまいます。
私はNPO人材育成マネジメント研究会の理事長として様々な研修のオブザーブを任されてきました。
また、自社で開発した「行動習慣化プログラム」というコンテンツを適用した研修を多く実践してきました。
そのような経験の中で「行動計画が書けないという失敗の原因」が分かってきました。
それは、その上流工程の【目標設定】自体が曖昧でいい加減なものになっているのです。
目標設定の失敗する原因は以下の3つに絞り込めます。
1.問題抽出が甘い
2.課題設定の誤り
3.成果設定がない
順番に説明していきましょう。
1.問題抽出が甘い
目標設定のファーストステップは問題抽出です。
あるべき姿と現状との差を考え、問題点を洗い出すのです。
その際、解決策を先に考えてしまい、問題を全部出し切れていないという失敗をしてしまいます。
例えば、売上げを現状の月商20万円から100万円にするときの問題点を考えているとして、
「商談が少ないからだ」ー>「テレアポを強化しよう」
と短絡的に課題設定してしまうのです。
もしかしたら競合の出現によって商品力が落ちているのが原因かもしれないのにです。
2.課題設定の誤り
問題の抽出が終ったら、解決すべき問題を選択し、問題が発生している根本問題を探り当て、その解決のために取り組むことを決めて行きます。
すなわち「課題設定」です。
ところが、課題設定において問題の反対語を課題と勘違いする人がいます。
例えば、「クレームが急増している、商品の品質に問題があるようだ」という問題のとき、「取り組むべきは、品質向上だ!」と問題の反対語を課題設定としてしまうのです。
「品質が悪い」ー>「品質を向上」
本来であれば、その問題が発生している根本原因を突き止めた上で課題を設定しなければならないのに、まったく思考停止している状況です。
3.成果設定がない
目標設定の最後のステップは「成果の設定」です。
目標達成したかどうかを誰からでも客観的に判断できないとなりません。すなわちメジャメントです。
ところが、曖昧な目標設定が多いのです。
達成期限と数値目標(もしくは達成レベルが明確なスキルアップ目標)が含まれていないと、成果設定とは呼べません。
以上目標達成が失敗する3つの原因を書きましたが、いずれも、講師のファシリテーションが重要であると思います。
受講生に対して、
座学(説明)で学習の方法を示し、
個人ワーク、グループワークを行わせ、
アドバイスにより気づきを与え、
完成にもっていく
正しい目標設定のためには、コンテンツよりワーク中の指導がとても重要です。
そのためには講師自身が、どうやったら失敗するかのパターン認識をもっている必要があります。
そうすれば、「行動」に結びつかない「曖昧な目標設定」を正しいものにもっていけるのです。
どうでしょうか。
さあ!
『講師の皆さん! 曖昧な目標設定をなくしましょう』
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