HRプロ代表の寺澤康介です。
いよいよ2015年卒採用の解禁日である12月1日を迎えます。採用担当者の皆さまは、就職ナビや採用ホームページの制作の追い込み、セミナー等で使用するツールの制作やプレゼン内容の企画、学内企業セミナーへの参加調整など、多忙を極めている時期かと思います。今年の12月1日は日曜日になりますので、昨年に引き続き就職ナビのオープンと同時に就職ナビ主催の合同企業セミナーの解禁日にもなります。学生は、日付が変わるとともに就職ナビにかじりつき、日が昇れば今度は合同企業セミナー会場へ向かうという、慌ただしい1日になりそうです。
いよいよ2015年卒採用の解禁日である12月1日を迎えます。採用担当者の皆さまは、就職ナビや採用ホームページの制作の追い込み、セミナー等で使用するツールの制作やプレゼン内容の企画、学内企業セミナーへの参加調整など、多忙を極めている時期かと思います。今年の12月1日は日曜日になりますので、昨年に引き続き就職ナビのオープンと同時に就職ナビ主催の合同企業セミナーの解禁日にもなります。学生は、日付が変わるとともに就職ナビにかじりつき、日が昇れば今度は合同企業セミナー会場へ向かうという、慌ただしい1日になりそうです。
さて、今回は「インターンシップ」について考えてみたいと思います。2016年卒採用から採用スケジュールが後ろ倒しになるにあたり、この「インターンシップ」が重要なキーワードになり、その兆候がすでに今年現れているからです。
政府提言がインターンシップ採用を加速
日本の新卒一括採用の選考では、エントリーシートなどの事前の書類選考もあるものの、ほとんどは面接で決まっているのが実情です。特に大手企業の実質上の面接解禁日となる4月1日から数週間は、多くの企業で一般の社員も面接官として駆り出され、大量の面接が同時進行して選考結果が決定されていきます。実は、そこには多くのミスマッチを生む原因が潜んでいるのです。短期間の数回の面接だけで本当の学生の能力が分かるのか、面接手法の素人である一般社員がどこまで学生の資質を見極められるのか、短期間に多くの企業の面接が集中するために学生が複数の志望企業を受験できないなど、以前から問題が指摘されながらも、結果として日本企業の横並び意識から同様のことが繰り返されてきたわけです。そうした中で、インターンシップで採用選考するという事例が増えてきており、注目されています。その背景と今後の予測について説明しましょう。
海外ではインターンシップを採用選考に活用するのは当たり前のことなのですが、これまで日本では経団連の新卒採用の自主的なルールである「採用選考に関する企業の倫理憲章」によって、インターンシップは選考と結びつけることが禁止されてきました。インターンシップを採用選考につなげることを認めると、実質的な採用選考の早期化、いわゆる「青田買い」が横行する懸念があるためです。ただし、この経団連の「倫理憲章」は、経団連傘下で趣旨に賛同した765社の企業に当てはまるだけであり、その他の企業はルールに縛られないにもかかわらず、何となく全体のルールのように見られていました。
しかし、これまでも外資系企業などはこのルールに縛られず、インターンシップで採用選考を行っていますし、IT関連のベンチャー企業などもインターンシップによる採用をどんどん行っています。また、ユニクロがミスマッチを減らすためにインターンシップによる採用選考を宣言するなど、大手企業でもインターンシップ採用の動きが出てきていました。そこに、2016年4月入社の新卒採用に向けて政府が採用広報、選考時期を遅らせるよう2013年3月に提言し、7月に経団連がこれを受け入れたことが、インターンシップ採用の動きに拍車をかけているのです。
この政府提言は、企業の採用時期の早期化が学生の学業の圧迫を起こしているという考えから、会社説明会など採用広報の開始時期を大学3年の12月から3月へ、選考開始時期を4年の4月から8月に遅らせるというもので、実際には来年から実施される予定です。経団連は、この提言を受け入れたものの、従来の「倫理憲章」という表現から「採用選考に関する指針」という表現に変え、このルールを順守するトーンがかなり落ちているように見られています。その「指針」では、インターンシップを採用選考につなげないことは従来通りなのですが、拘束力自体が落ちている中で、罰則規定もなく、インターンシップ採用が広まる予測を生んでいるわけです。