こども家庭庁と考える“こどもまんなか社会”の実現~企業・人事が対応すべき「働きながら子育てしやすい環境づくり」~
こども家庭庁長官官房少子化対策室長 中原 茂仁氏
こども家庭庁の役割と少子化の状況
こども家庭庁は、今年の4月1日に、内閣府と厚生労働省のこども政策を担当した部署を中心に創設されました。こどもたちの幸せのための一省庁として正式に立ち上がったことには、大きな意味があるのではないかと思っています。当庁の役割としては、大きく次の3つがあります。
(1)こども政策の司令塔としての総合調整
(2)省庁の縦割り打破、新しい政策課題等への対応
例:こどもの意見反映の仕組み、幼児期までの育ち指針、こどもの居場所など
(3)保健・福祉分野を中心とする事業の実施
例:保育、母子保健、社会的養育、こどもの貧困・自殺対策、虐待防止対策など
これらを職員350名、予算規模5兆円弱の体制でスタートさせたところです。
まず、少子化対策からご説明します。
日本の人口構造は、1950年代頃の8000万人ぐらいから現在は1億2000万人強になっていますが、2010年頃をピークに減少に転じています。このまま少子化が進むと、2070年には8700万人ぐらいになると予測されています。
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