今だからこそ見直したい「雑談」でのコミュニケーション
テレワークが普及したことにより、職場での「雑談」が注目されることも増えました。オフィス勤務の際、ちょっとした雑談から仕事のヒントをもらったり、問題解決策を思いついたりした経験がある方もいるのではないでしょうか。また、雑談はお互いを知るきっかけにもなり、「チーム作り」にひと役買うことも少なくありません。ちょっとした雑談を通して、相手の些細な異変に気付くこともありますし、何気ない会話が仕事の息抜きとなり、リフレッシュして仕事に取り組むこともできます。また、オフィスで仕事をしている時には、ちょっとわからないことがあると隣の席の人に声をかけたり、給湯室や廊下で同僚と立ち話をしたり、あまり意識せずとも自然と人とコミュニケーションを取っています。一方、テレワークはひとりで仕事をするため、「必要最低限の人と、必要最低限の会話しかしない」ということも多いでしょう。特に今はコロナ禍ですので、仕事はテレワークのため仲間と会えず、プライベートでも友人や親戚などと会えず、公私共にコミュニケーションが不足している方が増えています。このように社会的な繋がりが希薄になることは、メンタル疾患の誘発に繋がる危険性も指摘されています。
普段はあまり意識することもないような「雑談」ですが、仕事を進める上でも、心身の健康にとっても、案外大きな役割を持っているのです。
「繋ぎっぱなし」が鍵! 「雑談」を増やすちょっとした工夫とは
“プライベートおけるコミュニケーション不足”については会社が介入できませんが、“仕事上のコミュニケーション不足”は、会社が積極的に関わるべきことです。そして、この問題の解消は意外と簡単に行えるものも多くあります。ここからは、コミュニケーション不足を解消する「3つの工夫」をご紹介しましょう。●業務時間中はビデオ通話を繋ぎっぱなしにしておく
特に何か用事がなくても、ビデオ通話を繋ぎっぱなしにしておくことで、テレワーク下においても“チームメンバーと隣席で仕事をしているオフィス空間”のような環境を再現することができます。カメラはオフでもよいですし、マイクもミュートで構いませんが、スピーカーはオンにしておきます。こうすることで、何かあったときに発言をすれば誰かがそれに返してくれる、オフィスと同じような環境が再現できます。用事がある際に特定の人にだけ連絡をするのとは違い、独り言感覚で気軽に発言しても反応してもらえる上、チームメンバーが何に悩んでいるのか、どのようなことを考えているのかなどを、チーム全員で共有することが可能です。全員がマイクをオンにしておくと、それぞれの独り言なども拾いますので、そこからちょっとした雑談が発生することもあるでしょう。集中したいときには耳障りかもしれませんが、意識せずとも息抜きの時間が作れるというメリットもあります。
また、この方法は“チーム全員がテレワークの場合”はもちろん、“チーム内で出社する人とテレワークする人がまちまち”という場合にも実践できます。チーム全体で行うのが難しければ、「新入社員とトレーナー」や「同じ業務の担当者同士」といった、最小人数の単位から始めるのも有効です。
●会議の待ち時間にもマイクとカメラをオンにしておく
会議は部門や役職を超えたメンバーで行われることも多く、そこでの雑談から仕事上のヒントなどを得られることも多いでしょう。「この間のA社の件だけど、あれは○○だったね」とか、「あなたのチームの新人さん、頑張っているみたいだね」など、ちょっとした会話が生まれて自然なコミュニケーションができるのです。オンライン会議は、会議室の予約などの手間が不要で、時間を無駄にせずピッタリの時間に始められることがメリットのひとつですが、全員がオンライン上に集まるまでの時間だけでも、対面時のようにちょっとした雑談をしてみるのがおすすめです。また、全員が集まるまでの時間だけでなく、“会議の冒頭5分はアイスブレイクの時間にする”という工夫をしている会社もあります。
●仲のいい同僚と一緒にオンラインでランチ
オフィス勤務の際には、昼休みに仲の良い同僚と一緒にランチをするなどして、リフレッシュしていた方もいると思います。テレワークでも、ランチタイムや休憩時にビデオ通話を繋げることで、同じような環境を作り出すことができます。もしかしたら、ランチの買い出しや移動時間などがないことで、出社時よりもゆっくりと話ができるかもしれません。ただし、あくまで休憩時間なので、参加の強制はしないように注意しましょう。コロナ禍で課題となる「コミュニケーション不足」は、ちょっとした工夫で改善できることもあります。テレワーク環境下での“チーム作り”や“情報共有“のためにも、いま一度「雑談」というコミュニケーションについて見直してみませんか。
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