人事の主たる業務は、採用、教育研修、そして労務だ。どこの企業でも法律で規制されている労務は似通っているだろうし、採用も手段が限られているので横並び傾向が強い。しかし教育研修はそれぞれの企業が独自に行うもので個性がある。
当然のことだろう。業種、職種によって求められる要件は異なり、企業の個性もある。有効な教育研修を実施するためには、自社の人材要件を理解していなければならない。
また研修には目的に応じて、さまざまな種類の研修が存在する。内定者研修は、日本経団連が正式内定は10月1日以降と定めているので、10月以降に行われるものがほとんどだ。内定者に社会人としての自覚を促すためにビジネスマナーやビジネス知識を教えるものが多い。入社後の早期戦力化を狙い、Officeなどのソフトを教えるものもある。
当然のことだろう。業種、職種によって求められる要件は異なり、企業の個性もある。有効な教育研修を実施するためには、自社の人材要件を理解していなければならない。
また研修には目的に応じて、さまざまな種類の研修が存在する。内定者研修は、日本経団連が正式内定は10月1日以降と定めているので、10月以降に行われるものがほとんどだ。内定者に社会人としての自覚を促すためにビジネスマナーやビジネス知識を教えるものが多い。入社後の早期戦力化を狙い、Officeなどのソフトを教えるものもある。
同じ場所で学びという体験を共有
新入社員研修は、内定者研修の延長に位置づけられる。社会人としての自覚と振る舞い方、そして会社への理解と帰属意識を深める。内定者研修と新入社員研修は、学ぶことだけが目的ではない。同期の人間と同じ場所で学びという体験を共有する意味が大きい。共有することで仲間としての意識が生まれ、同期という絆が生まれる。この絆が強ければ、早期離職を防ぐ効果を生み出す。
明確な能力指針を示し育てるフォローアップ研修
自社社員に対しキャリア像を言語化し、提示する企業が増えている。それぞれの役職において必要な能力要件を示し、社員に求める。曖昧だった日本企業の評価システムでは、社員のモチベーションを引き出せないから、明確な能力指針は社員の意識を高める効果があるはずだ。このタイプの研修がフォローアップだ。仕事の価値を自覚させ、価値を生み出す仕事の仕方、部下への接し方を学ぶ。若手からリーダーに育つ過程でフォローアップ研修が有益だ。
ビジネスはゲームであり、劇である
近年の研修では、ゲームの要素を取り入れたり、演劇の役割を与えて演じたりするものが多くなった。ビジネスの現場で気付くことは少ないが、ビジネスは取引であり、ゲームである。ゲームのなかで、わたしたちは営業や調達、人事という役割を演じている。研修でゲームや劇を演じると、他人の心の動きが理解できる。そして気づきが得られる。研修の参加者のなかには「内容に満足できない」と回答する者がいるが、ビジネスゲームや劇を取り入れた研修は、参加者アンケートを見ると満足度が高い。まだ導入していない企業におすすめしたい。
多忙な企業はeラーニング研修
社員が多忙で1カ所に集合して講義を受けられない場合は、eラーニングを選べばいい。内容は多種多様だ。グローバル研修やIT研修のような長期にわたるプログラムの場合は、何度も学び直しができるeラーニングが向いている。コストも一般的には安い。
研修前と研修後を比較する
どのような研修でも、効果を出すためには、研修前と研修後を比較しなければならない。適性試験などを実施して、自社内で社員の継続的な成長を測定するのが望ましい。また研修前と研修後の効果測定を行うメニューを用意している研修会社もある。Webで研修会社を検索すると、多数の研修会社と研修サービスが掲示される。大手から中堅まで規模はさまざまだ。
冒頭に述べたように、効果的な研修を行うためには自社の人材要件を整理する必要がある。その人材要件を念頭に、自社にふさわしい研修会社と研修サービスを探せばいいだろう。
そしてふさわしい会社とサービスが見つかり、研修の結果が満足できるものだったら、変えない方がいい。教育とは継続的なものであり、講師やカリキュラムを同一にしておけば、経年データを蓄積することができるからだ。
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