経営人事パーソンの特徴

これからの人事のキャリアアップの方向性
寺澤 日本CHO協会は、人事担当の取締役・執行役員・人事部長以下、人事課長までの人事の中核業務に携わる方を会員とする組織ですが、須東さんはこの協会の立ち上げに従事して事務局長を務められ、多くの人事の方をご存じだと思います。経営人事パーソンの特徴を教えてください。

須東 日本CHO協会の設立は2003年ですから、もう10年経ちました。その間に課長から部長に、部長から執行役員に、あるいは取締役や社長になられた方がいますが、そういう方に共通する「経営人事パーソンの特徴」として抽出すると、3つの資質を上げられると思います。

まず「ビジネス視点からの発想」です。社長が新しいビジネスをやりたいと言った時に、最終的な消費者は誰か、どこがライバルになるのか、自社の競争優位性は何かなどのビジネスモデルを理解し、それをコンピテンシーに置き換える能力です。その必要なコンピテンシーを持つ人材を社内で見つけたり、養成したり、まったくいない場合は外部から調達したりすることができる人です。

2番目の資質は「プロジェクトマネジメント力」です。なぜそのプロジェクトが必要なのかを理解し、プロジェクトを立ち上げ、ゴールを明確にして人を巻き込んでいく資質です。

3番目は「ピープルマネジメント力」です。戦略が変わった時にコンピテンシーに置き換えて理解し、社内の人材を2:6:2という当たり前の能力分布に基づいて処遇する能力です。活躍できる2の人には活躍してもらい、できない人には辞めていただく。そして活躍が難しい6の人には、必要なコンピテンシーを説明して能力開発してもらう。尊厳を持ってそういう公正な処遇を実施できる人間力が経営人事パーソンには必要です。

寺澤 ありがとうございました。お三方それぞれの立場で明確な方向が示されたと思います。そしてお三方に共通するのは、人を元気にするプロになれ、人事が変われば会社が変わる、この素敵な仕事を楽しもうというアグレッシブな姿勢です。

人事がチェンジチャンピオンとして活躍し、日本を元気にしてもらいたいと期待します。

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