保険の金額チェックもお忘れなく!

アルバイト・パートスタッフの時給を設定する時に、忘れてはいけないのが“保険”です。ここでアルバイト・パートに必要な保険をおさらいしてみましょう。

●時間別で見るアルバイト・パートの保険
(1日の勤務時間が8時間で、週5日勤務の事業所のケース)

 労働時間が1日4時間(週20時間未満)の人
 雇用保険なし、社会保険なし

 労働時間が1日4時間から6時間未満(週20時間~30時間未満)の人
 雇用保険あり、社会保険なし

 労働時間が1日6時間(週30時間以上)の人
 雇用保険あり、社会保険あり


労働時間が週20時間未満のスタッフの時給を考える際は、保険について気にする必要はありません。

一方、週20時間以上働くスタッフには雇用保険が、30時間以上働くスタッフには雇用保険・社会保険がかかります。会社との折半になるとはいえ、スタッフにとっても大きな負担。彼らの手取り額を考慮して、給与額を決める必要があります。

特に、昇給制を採用している場合は注意してください。場合によっては昇給したにも関わらず、手取りの金額が数百円しか上がらないこともあるのです。
第12回 アルバイト・パートスタッフの資金設定のポイントとは?
昇給前と比べると、昇給後の月の手取り額は400円程度しかプラスになっていません。なぜなら、昇給したことで健康保険と社会保険の“等級”が上がり、結果として保険の納付額が上がったからです。

賃金決定時、昇給金額の決定時は、いずれも保険料の“等級”区分の上限に近づかないように注意してください。等級については、「平成25年9月分の健康保険・厚生年金保険の保険料額表」が参考になります。

賃金以外のメリットを与えられる職場か?

ここまでは“賃金”そのものについてお話してきましたが、最後に賃金以外の“メリット”についても考えてみましょう。

優秀な人材を採用し、長く働いてもらうためには、昇給制や手当制の工夫も取り入れつつ、より多くの賃金を渡せるに越したことはありません。とはいえ、賃金が多ければ働く側は満足かというと、必ずしもそうではないようです。

では、賃金のほかに何が必要なのでしょうか? 私は、人が喜びを感じる報酬には、お金以外に次の4つがあると考えています。

●「働くことを通じて得られるメリット」まとめ
 (1)感動(お客様から「ありがとう」と言われること)
 (2)成長(去年よりも大きく成長したと感じられること)
 (3)信頼(仕事を通じて、お客様や同僚に高く評価されること)
 (4)愛情(働くことを通じて得られる愛情や絆)


業界相場を下回る賃金しか出せない場合、こうしたメリットは非常に大切です。なかでも(4)の「愛情」を深く考える必要があります。

実際にある例では、給与明細に社長が一言「今月もありがとう」「○○さんのおかげで目標が達成できました」など手書きのメッセージを入れている企業があります。環境や研修体制を充実させ、スタッフを心から励まし、育てることは、金額面の不足をある程度カバーできるはずです。

今の職場が、アルバイト・パートスタッフにお金以外のメリットを感じてもらえる職場かどうか。賃金設計の際にはぜひこの点も考えてみてください。

提供:インテリジェンス「an report」
http://weban.jp/contents/an_report/index.html

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