こちらの要因は、内定者管理ツール(内定者SNS等)の利用率の差異に連動しています。多くの内定者管理ツールには、ビジネスマナー等のeラーニングコンテンツがパッケージとして搭載されているほか、eラーニングコンテンツプロバイダーと連携しています。企業は、オプションとしてeラーニングコンテンツプロバイダーのメニューから必要なコースを選択することで、内定学生は内定者管理ツールにログインすることで、eラーニング受講用のサイトにもシームレスにログインできるようになっています。
 最近では、内定者管理ツールの契約期限を、学生が卒業する3月までではなく、新入社員の入社時導入研修期間が終了するまでに延長して利用する企業も増えてきています。

 さて、入社前教育ではどんなことを実施しているのでしょうか。アンケートでは、フリー記述で回答していただきましたので、一例をご紹介いたします。

・学校での学習の進捗や体調、トピックス等の定期的なレポート、社会人になるための学習(eラーニング)(化学、5001名以上)
・PCスキル、英語のeラーニングを実施している(電機、5001名以上)
・内定者同士の交流・コミュニケーションを図るためのチームビルディングや、入社後のイメージを持ってもらうための座学(ITエンジニア)研修(人材サービス、1001~5000名)
・学生と社会人との切り替えと仲間意識の醸成の機会として、3泊4日にて集合研修形態として実施している(最近では珍しいスパルタ教育)(運輸・倉庫・輸送、1001~5000名)
・店舗に実際に立ち、接客や商品知識などを学ぶ現場研修に加え、入社直前には宿泊研修を実施し、グループワークを通じて「ホスピタリティ」を考えさせる(繊維・アパレル・服飾、1001~5000名)
・通信教育(財務、論理思考、マーケティング)、集合研修(身の回りのトレンドをプレゼンテーション)、可能な場合はアルバイト勤務(店頭販売業務)を奨励(食品、1001~5000名)
・専門分野における課題の提出、日経新聞の感想文(人材サービス、1001~5000名)
・内定者向けのテキストと、そこから読み解く課題レポートの提出。課題ビジネス書への感想文、当社商品のプレゼン課題などのレポートの提出。上記のレポート類は、3~4週間に1度程度の間隔で提出してもらう形(百貨店・ストア・専門店、501~1000名)
・適性検査結果を用いた「自分を知る」研修。ビジネスマナーのeラーニング。職場見学を含めた会社理解の研修(輸送機器・自動車、501~1000名)
・会社を深く知ることを目的にしたワークショップ、基礎的なITリテラシーのeラーニング、若手向けビジネス雑誌の配付と感想レポートの提出(通信、501~1000名)
・集合研修:内定者間の連帯感の醸成。相互理解の促進、課題:モノづくりにおける「研究の姿勢」「工場の仕組み」「営業の進め方」に関する書籍とそのレポート(化学、301~500名)
・自社運営イベントにて、販売ブース運営を内定者に任せ、振り返り研修などを実施する(マスコミ関連、301~500名)
・毎月の行動予定表作成提出、毎月の行動レポート提出、書籍感想文、マナー本、一般常識本(その他メーカー、101~300名)
・「働く意味」など道徳的な内容の座学研修、「PCスキル」「コンプライアンス、情報セキュリティ」「ビジネスマナー」などのeラーニング研修(情報サービス・インターネット関連、101~300名)
・論理思考醸成のため、課題を与え文章にて表現させる宿題を事前に出し、研修当日その内容に基づき研修を実施(医薬品、101~300名)

入社前教育の目的は「マインドチェンジ」

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