「面接」から「雇用」までの8つのポイント

宮川 留学生を採用する場合、踏むべきステップは「面接」「内定」「雇用」など、一般的には日本人と同じです。しかし、留学生ならではのチェックポイントも当然あります。そこで、実践すべきステップとポイントを以下にまとめました。

留学生雇用時の8つのポイント
面接
□ 「資格外活動許可」の有無を口頭で確認


応募してきた留学生が「資格外活動許可」を持っていない場合は、契約時までの取得が必須条件。早いうちに確認しておくのがベストです。とはいえ、面接の段階で書類や在留カードの提示まで求めると、プライバシーの問題もあるため、この時点では口頭確認にとどめましょう。

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内定
□ 「資格外活動許可」を持っていない留学生に申請を促す
□ 留学生に渡すための「労働条件を明記した書類」を準備する
□ 留学生と契約を結ぶための「労働契約書」を準備する


雇用後に留学生と揉めがちなのが、労働条件。言語の壁にはばまれて、契約時の意思疎通がうまくできておらず、後から「聞いてない」と言われてしまうケースです。対策として、契約書や労働条件通知書といった書類の準備を。書類は、留学生が読んで理解できる言語で作成するのが理想的です。

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契約
□ 「資格外活動許可書」か「在留カード」を見せてもらう
□ 「資格外活動許可(上図の7)」が確認できたら、労働条件を明示した書面を交付する
□ 留学生が労働条件を理解したら、契約書に署名をもらう


この時点で「資格外活動許可」を得ていることが確認できなければ、労働契約の締結は見送りましょう! 確認を怠れば、不法就労者を雇用する事態も起こりうるため、入管法で不法就労の助長罪に問われる可能性も大。また、資格外活動許可を取らずに働いた留学生は、資格外活動違反になります。

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雇用
□ ハローワークに留学生雇用の届け出を行う


この届け出は、企業側に義務付けられているもの。明らかに外国籍の人物を雇いながら届け出なかった場合、指導・勧告の対象となるとともに30万円以下の罰金が科せられます。また、留学生の離職時も、同じ形で届け出ること。いずれも簡単な申請書の記入で済みます。

野口 「労働契約書」「労働条件を明記した書類」で書くべき内容は、日本人向けのものと同じです(労働条件の記載についてはこちらの記事を参照)。

 また、ハローワークへ届け出る際は、労働者が雇用保険に加入するか否かで提出する用紙が異なります。留学生アルバイトの場合、保険加入が義務付けられているのは「労災」のみなので、雇用保険に関しては「加入しない」用紙で出すのが一般的です。

マニュアルや研修方法の見直しも必須

第20回 外国人留学生のアルバイト雇用 実践すべき8つのポイント
宮川 外国人である留学生がわかる言語で契約の書面を作成するのが理想的だということは、すでにお伝えした通りですが、留学生を受け入れるためには、マニュアルの内容や研修の方法も見直す必要があります。雇ってみるとわかることですが、言語の違いを超えるのは意外にハードルが高いもの。こちらが平易な言葉で説明しているように思えても、相手は誤解してしまうケースが多々あるのです。

野口 アルバイトの行動規範となるマニュアルや社則は、彼らがわかる言語で作り直すか、ゆっくり読み聞かせて教える、ふりがなをふって読ませるなどの工夫が必要です。また、実際に仕事を教える研修時も、単語を指さしたり、ジェスチャーを交えたり、ゆっくり話すなどして相手が本当に理解しているかどうかを確かめながら進めましょう。留学生に対応したマニュアルや研修方法を一度整備しておけば、継続的に同じ国出身の留学生を雇うことが可能。店舗の人手不足にお悩みならば、ぜひ一度、留学生の採用も検討してみてください。

提供:インテリジェンス「an report」
http://weban.jp/contents/an_report/
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