6割の企業でインターンシップ参加者から内定者

昨年インターンシップを実施した企業に、インターンシップ参加者のうち、最終的に内定につながった学生の割合はどのくらいかを質問してみました。これはインターンシップで選考したケースだけでなく、採用活動終了時点での結果論として、インターンシップ参加者のうち内定に至ったものがいたというケースまでを含んでいます。
 インターンシップ参加者から内定者が1人も出なかった企業は39%、つまり残り6割の企業ではインターンシップ参加者から内定者が生まれています[図表3]。「10%未満」が17%で最も多いものの、中には「50%以上」という企業が6%もあります。インターンシップに参加した2人に1人以上が内定していることになります。
第42回 HR総研の調査から見える「インターンシップ」 その2
もちろん、インターンシップに受け入れた人数によって、この割合が持つ意味は大きく異なってきます。例えば、2人受け入れて、うち1人が内定していれば「50%以上」となるわけです。多くはそういった例ですが、中には、受け入れ人数が「20人」で、内定率が「50%以上」という企業(情報サービス・インターネット関連、51~100名)もありました。驚くべき割合です。
 内定者の割合を企業規模別に見たデータが[図表4]です。大企業では、内定者が「0%」の企業割合が26%と、他の企業規模と比べると最も低い反面、「30%以上」の割合が16%と最も高くなっています。大企業ほど、採用活動においてインターンシップを有効活用できていることが分かりますね。
第42回 HR総研の調査から見える「インターンシップ」 その2

内定者の1割以上がインターンシップ参加者の企業は27%

今度は見方を少し変えて、内定者に占めるインターンシップ参加者の割合を見てみましょう[図表5]。もちろん集計対象は、昨年インターンシップを実施した企業だけです。
 内定者にインターンシップ参加者が1人もいない企業は39%。前述した「(インターンシップ参加者における内定者が)0%」の企業とイコールですので、当然同じ割合となります。最も多いのは「10%未満」で34%、つまり3社に1社は1割未満ということになります。内定者に占める割合が「10~20%未満」は13%、「20~30%未満」は9%と、割合が高くなるにつれ企業は少なくなっていきます。ただ、中には「50%以上」という例(その他サービス、101名~300名)もあります。
第42回 HR総研の調査から見える「インターンシップ」 その2
こちらも企業規模別に見てみましょう[図表6]。大企業と中堅企業では「10%以上」の割合は2割程度、中小企業に至っては4割近くに上ります。もちろん全体の採用人数の多寡がありますので、採用人数の少ない中小企業のほうが割合は高くなりがちです。中小企業こそ、広く募集をかける採用活動よりも、インターンシップに受け入れてお互いにじっくり見極めた上で選考をするやり方のほうがミスマッチのない、効率的な採用ができそうです。2016年卒採用に向けて、今夏は中小企業でも初めてインターンシップを実施する企業が急増しています。その結果が来年どう出るのか、期待したいところですね。
第42回 HR総研の調査から見える「インターンシップ」 その2

インターンシップのあるべき姿とは

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