膨大な情報を一瞬で取捨選択! 「イイね」と認めてほしい

生まれた時、もしくは物心ついた時からインターネットがある環境で育ったさとり世代は、日々ネット上で更新される膨大な情報を目にしながら生きています。そのため、彼らはその情報が自分にとって必要か不要かをスピーディに判断しています。

また、スマートフォンの普及も手伝って、検索で答えに辿りつくのに慣れており、ファストな正解を求めがち。「選ぶからには間違えたくない」という意識が強く、「自分探し」より「正解探し」を重んじる人が多いようです。

自分の選択が「正解だった」と感じられるのは、例えばFacebookやTwitterなどのSNSで、多くの人から「イイね」と認めてもらえた時。いつでもどこでもつながれるSNSの世界で、自分をステキにアピールしたり、友人たちに面白いネタを提供したりして「イイね」と認めてもらいたい。つまり、人一倍他人に「承認してほしい」というマインドを持っているのです。

背景から読み解くさとり世代の特徴 その3
●情報環境の変化(インターネット&スマートフォンの登場)

→一瞬で情報を取捨選択する/承認欲求が高い

“さとり世代”に響く「求人募集」

第14回 アルバイト界の若い戦力“さとり世代”って何だ?
すでに述べた通り、さとり世代は将来への不安を強く感じています。そのため、アルバイトにも「自分の将来に生かせるかどうか」を見定めたいと考え、「就職活動の自己PRで使える」「自分のキャリアにプラスになる」など、将来的なメリットを感じられるものを選ぶ傾向があります。

また、膨大な情報をスピーディにさばくため、長文を読み飛ばす人が多いと考えられています。さとり世代をターゲットにして求人広告を出す場合は、長々と文章で説明するのは避けましょう。一瞬でどんな仕事かがわかるキャッチコピーと画像で、端的に見せるのが得策です。

また、さとり世代は「内輪でネタになるか」という視点も持っていますから、「地味な会社だけど、こんな派手な仕事もしている」などの意外性があれば、そこをアピールするのも手。さとり世代の食いつきが高まる可能性があります。

さとり世代に向けた求人広告の出し方
・一目で内容がわかるキャッチコピーと写真やイラストなどを使って、とにかくわかりやすさを重視すると効果的
・自社のアピールだけで終わらず、さとり世代側の将来的なメリット(就職活動のPRに使える、資格が取れるなど)をしっかりと訴求すると選ばれやすい
・「○○なのに△△」など、意外性のあるネタがあれば積極的にアピールする

面接は、採用後の関係性も意識して行う

さとり世代は競争の少ない環境で育ったため、「選ばれる」ことが苦手。面接は選ぶために行うものですが、「選ぶ側」「選ばれる側」という上下関係を作りすぎると、警戒して素を出さなくなってしまいます。さらに、面接の段階で会社に対してネガティブな印象をもってしまい、採用しても長続きはしない可能性さえあります。

意識したいのは、「会話を楽しむ」ことです。例えば「こんなケースでは、あなたはどう行動しますか?」「こう行動します」のような一問一答形式で進めていくと、彼らは「回答」を口にするだけで、なかなか会話のキャッチボールが成立しません。

ならば、時おり「こういう場合、私ならこうするけれど、あなたはどう行動する?」というような変化球を織り交ぜてみましょう。彼らは「こちらを目下だと切り捨てずに意見を聞いてくれる」「同じ目線で話してくれる」と感じるでしょう。無事に採用となった場合も、自分を理解してくれる雰囲気の職場だという印象を与えることができます。

さとり世代に対する面接のポイント
・選ぶ側・選ばれる側という立場を作りすぎない
・会話のコミュニケーションを一緒に楽しむ
・意見を求める質問や同じ目線で話せる時間を盛り込む

アルバイト定着率アップの鍵は「内輪」感の演出

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