自律型シニア社員を作るための「生涯雇用能力形成支援」

「企業力を高めるシニア世代の“活性化”対策とは」
では、具体的にどうすれば良いのか。50歳代社員のやる気を高め、60歳以降も職場の戦力とするためには、キャリア開発支援をベースとし、(1)強みを活かし、(2)職場に適合しながら、(3)自律的に職務遂行・組織貢献をする人財=「自律型シニア社員」を作ることが重要だと弊社では考えている。

 自律型シニア社員を作るためのキーワードは、「生涯雇用能力形成支援」だ。社員は70歳まで働かないといけない、企業も雇わざるを得ない「70歳雇用時代」の到来に備え、60歳以降も現役として力を発揮できるような雇用能力をつけていただく支援が必要になる。その柱となるのは、「意識・能力・周囲」の3つの変革だ。

 まず「意識の変革」だが、主体的な仕事・キャリア価値観を醸成するため、将来の昇進・昇給のためにがんばるといった定年までの「将来指向」から、定年後の「日々生きがい指向」へと、50歳代社員の意識を徐々に切り替えていくことが必要だ。

 次に「能力の変革」では、ヒューマンスキル、マネジメントスキルなどの汎用能力を強化すると同時に、想定外の環境変化などで陳腐化していく専門能力を更新させることで、エンプロイアビリティを低下させずに変化対応できる自律型社員へと育てていくことが重要だ。

そして「周囲の変革」では、50歳代社員が職場で自分の強みを活かしながら成果貢献できるように、周囲にいる職場の上司や同僚がその強みをきちんと把握し、積極的に活用できるように支援していく。そうした50歳代社員が円滑に職場適合できるための支援も大事なポイントだ。

働くビジョンが明確な50歳代社員は仕事のモチベーショ...

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