70歳雇用時代に向けた「自律型シニア社員」づくりのキーファクターは、キャリア開発支援を通じた「生涯雇用能力形成」。

50歳代社員のうちにいかに活性化して能力を維持、向上できるか

「企業力を高めるシニア世代の“活性化”対策とは」
シニア世代の定義は、弊社では50歳代から60歳代としているが、今日は、特に50歳代のキャリア開発支援をテーマにお話ししたい。いま、企業の50歳代社員の現状はどうなっているだろうか。多くの企業では、役職定年・再雇用前後の50歳代社員のモチベーションの低下、賃金低下に対する不満が周囲に悪影響を及ぼすこと、あるいは年下の上司が年上の部下を扱いにくいといったことなどが主な課題になって
いるようだ。

 実際、50歳代社員の方々を対象に弊社が実施した調査結果では、「定年後も」高いモチベーションを維持できるとの回答は23%、「定年まで」高いモチベーションを維持できるとの回答は37%となっており、残念ながらモチベーションが高いとは言えない状況である。また、シニア社員の能力問題に関する調査結果では、個人と企業の人事担当者の認識にギャップがあることが示された。具体的には、組織適合能力(職場メンバーと円滑な人間関係づくりができる能力)および職務専門能力に関して50歳代社員自身は高いと認識している一方、企業の人事担当者は50歳代社員が思うほど高いとは認識していない。「コミュニケーションを取りにくいし、何が強みなのかもわからないから、上司や周囲のメンバーが50歳代社員を積極的に活用しようという動きがなかなか出てこない」といった声を、いろいろな企業でお聞きするのが現状だ。

 では、50歳代社員を放っておいていいのだろうか。今後、少子高齢化により定年前労働力が急速に減少することに加え、深刻な年金財政問題により、70歳までの雇用が義務化される可能性も十分に考えられる。とするなら、50歳代社員のうちに活性化して能力を維持、できれば向上させて、60歳以降もいきいきと働いていただけるように戦力化しておく必要がある。

自律型シニア社員を作るための「生涯雇用能力形成支援」

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