人的資本の情報開示の1つの手段～就業規則の開示意義～【大阪梅田】

企業の不祥事が従業員の内部告発により明るみになり、また、ランサムウェアの感染経路の侵入経路が電子メールであったり、従業員の不正の多くがデバイスを活用して行われていたりする事件が散見されます。このような「企業価値を毀損するリスク」については、内閣官房の「人的資本可視化指針」の「情報開示が求められる人的資本の項目の方向性」の一つに「リスクマネジメントの観点」が定められており、投資家のリスクアセスメントニーズに応えるよう企業には求められています。
リスクマネジメントの観点から、企業においては「内部通報者に対しては、公益通報に当たらなくとも、不利益な取り扱いをせずに通報制度を運用していること」、「デバイスを不正利用した者については制裁を行うことで厳格な対応をとっていること」を記載した就業規則を開示することで、企業価値を毀損するリスクに対して真摯に取り組んでいることを投資家へ説明することができると考えられます。
本セミナーでは、就業規則を概観し、内部通報制度およびデバイス管理の意義を整理した上で、これらを労働者に提示することを想定していない「内規」（内部利用のための文書）ではなく、労働者に周知し、労使間の権利義務関係を基礎づける「就業規則」に格上げし、人的資本情報の一つとして開示することを提案するものです。

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  野中 健次氏

  かがやき社会保険労務士法人　代表社員

  略歴
  1965年東京生まれ
  青山学院大学卒業（経営学士）、同大学院法学研究科修士課程修了（ビジネスロー修士）
  1989年：日興證券入社（現SMBC日興証券）
  1991年：東京事業主協会（現一般社団法人東京事業主協会）入社
  1994年：野中社会保険労務士事務所開業
  2024年：かがやき社会保険労務士法人と経営統合（M&A）