人事に関わる施策では高年齢者雇用安定法改正が改正され、今春から65歳までの継続雇用が企業に義務づけられた。そして製造業だけでなく、国内流通業もアジア市場に飛び出しておりグローバル化も待ったなしで進む。このような経済、社会の環境変化は、企業の経営戦略にダイレクトに影響し、人事の担う役割を変化させる。
そこでHR総合調査研究所は、人事課題に関するアンケート調査を2013年3月4日から14日まで行い、各企業が直面する人事課題を調べ、その方策を聞いた。その調査結果を報告する。
圧倒的に多い「教育・能力開発」と「優秀人材の確保」
「人事関連の課題として重要だと思われるもの」を聞いたところ、圧倒的に多いのは「社員の教育・能力開発」(66%)と「優秀な人材の確保」(64%)だった。教育と採用が人事の原点だということがわかる。全体のグラフを掲示しているが、業種によって違いがあり、非メーカー系では「優秀な人材の確保」の方が高い。続いて50%台の項目は「社員のモチベーションアップ」(54%)と「幹部候補の選抜・育成」(53%)である。
40%台は「中間管理職層の能力開発」(43%)と「人事制度改革(賃金、評価含む)」(42%)、30%台は「メンタルヘルス対策」(34%)、「戦略的な人材配置・異動」(33%)、「組織風土改革」(30%)である。
20%代以下は「新人・若手社員の戦力化」(28%)、「女性社員の活用」(26%)、「中高年社員の活用」(24%)、「グローバル化への対応」(22%)、「適正な要員計画」(22%)、「スキル・ノウハウの伝承」(19%)、「リスク管理対策」(18%)、「ワークライフバランスの実現」(17%)、「離職率の低減」(12%)の順となっている。若手の戦力化、女性活用、グローバル化対応、中高年社員活用、ワークライフバランスの実現などは、人事課題と取り上げられることの多いテーマだが、人事の現場では採用と教育、そして幹部人材育成・選抜、モチベーションアップ、人事制度などが焦眉の急と認識されているようだ。
図表1:現在の重要な人事関連課題
実践的な施策が目立つ課題への取り組み
課題を認識した上でどのような施策を取っているかを記述式で聞いたところ、さまざまな回答があった。いくつかを紹介しよう。
・「人事政策は、企業戦略と一体となる必要がある。企業としての基本的な理念に立ち返り、ミッションの共有化を徹底することが、従業員のモチベーション向上のためには、最も重要と考える。施策は、内容よりも実践が難しいので、絶えずWIN・WINの立場で検討していく」(1001名~5000名、建築・土木・設計)
・「管理職育成研修受講の必須化」(501名~1000名、情報処理・ソフトウェア)
・「経営層と人事部門間での合意形成と優先順位付けを行うこと。時間を掛けて議論すべきこと」(1001名~5000、商社(専門))
・「各部署、各課での社員と役職付き社員と定期的に(間隔はなるべく短く)面談が必要」(301名~500名、その他サービス)
・「採用、教育、配置等の人事施策の中で、戦略性をもった施策展開を行うべきだと考えている。採用では、通年採用はもとより、海外での採用にも注力しているし、教育・配置では、マネジメント力の強化、グローバル人材の育成といったフォーカスをもって取り組んでいる」(1001名~5000名、医療機器)
・「1)タレント・マネジメントシステムを導入し、評価と人材発掘/抜擢/戦略的配置/育成を関連づける。2)職種別の労働条件設定を強化する(休日日数、給与テーブル、モデル賃金)。3)当社流の「ウェイ・マネジメント」を検討し、導入する。4)教育関連セクションを拡充し、コンテンツ開発と講師養成を内製化する」(1001名~5000名、通信)
・「教育施策の充実が必要だが、従来までとは異なりもっと実践的な経験をつめる(時には人事異動を伴う)教育内容にしていくべきであると考えている」(5001名以上、電機)
実践的な施策に取り組んでいる企業が多いように感じる。
「5年後」は「幹部候補の選抜・育成」が上昇
「将来(5年後)に人事関連の課題として重要になると思われるもの」を聞いてみた。
「現在の重要な人事関連課題」と比較すると、「優秀な人材の確保」の重要性は変わらないものの、「現在」では6割を超えていた「社員の教育・能力開発」が4割に後退している。逆に「現在」では4位だった「幹部候補の選抜・育成」が2位に上昇している。
規模別にも濃淡がある。「社員の教育・能力開発」は「301名~1000名」43%、「300名以下」45%と5年後を想定しても中小企業の関心は高い。しかし「1001名以上」では27%と低い。
「女性社員の活用」は「1001名以上」では37%と強い関心を示しているが、「301名~1000名」は19%、「300名以下」は13%と20ポイント前後低く、問題意識が希薄である。
「中高年社員の活用」は「1001名以上」は37%と多いが、「301名~1000名」は24%、「300名以下」23%と10ポイント以上の違いがある。「グローバル化への対応」も規模が小さくなるほど数字が低下している。
「組織風土改革」は「301名~1000名」が29%と、他の規模より10ポイント以上高い。
「中間管理職層の能力開発」は、「1001名以上」が27%なのに対して、中小企業では38%と強い関心を示している。
図表2:将来(5年後)に重要な人事関連課題
規模が小さいほど高い正社員比率
非正規雇用が社会問題化している。そこで現在の「全従業員に占める正社員の比率」を聞いてみた。業種と規模で異なる傾向がある。
まずもっとも多いのは正社員比率が「80%~100%未満」であり、続いて「60%~80%未満」だ。これは業種、規模に関わりなく、この順番だ。ただ規模が小さいほど正社員比率は高くなり、非メーカー系の「300名以下」では26%の企業が「正社員比率100%」である。メーカー系の「300名以下」でも9%の企業が「正社員比率100%」だ。
メーカー系の「1001名以上」と「301名~1000名」、非メーカー系の「1001名以上」では「正社員比率100%」は皆無だから、この差は大きい。
業種別に見ると、非メーカー系の方がメーカー系より正社員比率は低い。非メーカー系の「1001名以上」の17%、「301名~1000名」の19%が40%未満である。メーカー系ではいずれの企業規模でも40%は皆無に等しい。
おそらくスキルの蓄積が必要な製造現場と、接客サービスの多い非メーカー系の業務の質の違いが反映されているのだろう。
図表3:全従業員に占める正社員比率(メーカー系)
図表4:全従業員に占める正社員比率(非メーカー系)
今後の正社員比率を「増やす」企業は非メーカー系に多い
今後の正社員比率見込みでも業種と規模の違いがある。まずメーカー系を見てみよう。「増やす」とする企業は少なく、いずれの企業規模でも1割以下である。ところが「減らす」とする企業は規模が大きくなるほど多くなり、「1001名以上」では14%に達している。「300名以下」で「減らす」のは2%しかないから、違いは大きい。
非メーカー系でも規模によって違いがあり、「減らす」企業は「300名以下」では7%しかないが、「1001名以上」になると13%になり、倍に近い。
注目したいのはメーカー系で少なかった「増やす」が非メーカー系でかなり多いことだ。いずれの企業規模でも1割を超えており、「1001名以上」では2割の企業が「増やす」と回答している。
たぶん今後の正社員採用は景気動向に左右されるだろう。アベノミクスのアナウンス効果によって3月段階の景気感覚は上昇している。モノが売れ始めたという報道も目にするようになったし、賃上げやボーナスでも景気のいい話は多くなった。
非メーカー系では販売増が見込めるので、正社員採用意欲が強まっているのだと思う。ところが製造業の先行きは玉虫色だ。自動車産業は復調しており、トヨタは世界一の座を奪還するかもしれない。しかし他の製造業の復調は確定していない。それがメーカー系の「増やす」が少ない理由だと思う。
図表5:今後の正社員比率見込み(メーカー系)
図表6:今後の正社員比率見込み(非メーカー系)
非メーカー系で高い女子正社員比率
労働人口が減少していく日本で経済活動を維持して行くには女性活用が不可欠だ。そこで「正社員における女性比率」を聞いてみた。
この調査項目も規模と業種で違いがある。メーカー系は総じて女性正社員比率が低く、どの企業規模でも9割ほどが4割以下である。「40%~60%未満」も1割あるが、6割以上は皆無に等しい。製造業は昔から「男の職場」とされ、工場では女性が働くが、正社員ではない。
非メーカー系はメーカー系と比べると女性正社員比率が高い。多いのは「20%未満」と「20%~40%未満」だが、「40%~60%未満」と「60%~80%未満」の企業が25%~36%あり、少数だが「80%~100%未満」という企業もある。
もともとメーカー系を志望する女子学生は、男子学生よりも少ないことが反映されていると考えることもできる。また多くの人事が「女子の方が質が高い」と評価しており、非メーカー系企業が採用に苦戦すれば、良質な女子を選ぶことになるのかもしれない。
図表7:正社員における女性の比率(メーカー系)
図表8:正社員における女性の比率(非メーカー系)
非メーカー系大手で進んでいる女性登用
欧米企業と日本企業の違いのひとつに、女性管理職の割合がある。そもそも欧米社会では企業内の女性管理職の割合がテーマになることすらない。性差による差別がないからだ。
日本企業の現状を調べてみよう。まず現在の女性管理職の割合だが、メーカー系で低い。どの企業規模でも「5%未満」が70%を超えている。「5%~10%未満」は「301名~1000名」で13%、「1001名以上」で18%あるが、10%以上はほとんどない。
非メーカー系では事情が異なる。「300名以下」と「301名~1000名」では半数以上が「5%未満」だが、残りの企業はそれ以上の女性管理職がいる。とくに非メーカー系の「1001名以上」では女性登用が進んでおり、「5%未満」は37%とかなり低い。また「30%~50%未満」や「50%~70%未満」と回答した非メーカー系も数は少ないが存在している。
図表9:管理職全体に占める女性管理職割合(メーカー系)
図表10:管理職全体に占める女性管理職割合(非メーカー系)
確実に増える女性管理職
女性管理職はこれから増えるのだろうか。全体で見ると「増やす」と「ほぼ変わらない」が半数ずつであり、「減らす」と回答したのは1社だけなので、確実に増えていくことが予想できる。
また規模によって意識が異なり、「1001名以上」で「増やす」と回答した企業は62%、「301名~1000名」では49%、「300名以下」では39%。大企業ほど女性登用意識が高いことがわかる。
グラフを掲示しないが、もっとも女性登用意識が高いのはメーカー系の「1001名以上」であり、73%の企業が「増やす」と回答している。
図表11:女性管理職比率をどうするか(全体)
人事マネジメントの成果指標、5年後は戦略性を重視する指標
人事マネジメントの成果指標についての設問では、圧倒的に多いのは「総人件費」で42%である。続いて「経営戦略と人事戦略の合致度」と「採用計画の達成度」の2項目が32%で並んでいる。
2割台の成果指標は「従業員1人当たり売上高」(25%)、「従業員満足度」(24%)、「離職率」(22%)、「給与水準」(21%)、「正社員の年齢構成」(20%)である。
1割台の成果指標は「組織活性度」(15%)、「労働分配率」(13%)、「正社員の平均年齢」(12%)、「戦略的人材配置の達成度」(12%)だ。
先に女性管理職に関する調査結果を報告したが、「女性管理職比率」を成果指標とする企業は5%しかない。つもり多くの企業は女性管理職を人事成果としては増やそうとしていないようだ。
しかし5年後の人事マネジメントの成果指標を聞くと、まったく異なる結果になった。
現在のトップである「総人件費」は42%から27%へと大きく減少し、代わって「経営戦略と人事戦略の合致度」が現在の32%から50%へと増大している。
「従業員満足度」も高くなり38%。「戦略的人材配置の達成度」は37%、「組織活性度」31%と高くなっている。
現在は総人件費などの目先の指標を重視せざるを得ないが、5年後には戦略性を重視する成果指標にしたいという人事の問題意識が色濃く反映されているようだ。
図表12:人事マネジメントの成果指標として活用しているもの
コンピテンシー評価や目標管理制度の導入
「人事考課制度の改定を過去5年以内にしたか」を問うたところ、興味深い結果となった。「300名以下」で「改定した」のは34%だが、「301名~1000名」では43%、「1001名以上」では46%と規模が大きいと「改定した」比率が高くなる。
改定した内容だが、コンピテンシー評価や目標管理制度の導入が多い。いくつかの企業を紹介しよう。
「年功序列型賃金体系から成果型賃金体系に移行し、従業員のキャリアに対する考え方によってマネジメントコースとスペシャリストコースに分けた考え方を導入した」(301名~500名、商社(専門))
「年功序列から職能資格制度へ変更し、会社に対しての貢献度を評価する。年齢にかかわりなく、頑張ったものが報われる制度」(501名~1000名、輸送機器・自動車)
「手当て等、職務に関係ない制度の廃止。社宅・寮等の逓増制導入。WLB関連施策の拡充」(5001名以上、化学)
「年功序列型人事制度から、目標管理を取り入れた人事制度に改定した」(101名~300名、繊維・アパレル・服飾)
「目標管理において定性的な目標や社会人として当然守るべき事項を設定目標とさせず、できるだけ定量的でレベルの高い目標に置き換えた」(301名~500名、運輸・倉庫・輸送)
「年功序列型人事制度から、目標管理を取り入れた人事制度に改定した」(101名~300名、繊維・アパレル・服飾)
図表13:人事考課制度の改定を過去5年以内にしたか
より正確に制度や基準を設定する人事考課制度の改定
「現在、人事考課制度の改定を予定しているか」という問いに対しては、「予定している」は29%、「予定していない」は42%、「わからない」が29%という結果になった。約3割の企業が人事考課制度の改定を予定している。
どのような改定を行うのかをコメントとして書いてもらったので、一部を紹介しよう。内容を読むと、より正確に制度や基準を設定するものが多く、人事考課の難しさを物語っている。
「幹部登用制度の変更、人事考課制度の変更、給与制度の変更」(5001名以上、教育)
「人事評価における、賞与の評価と昇給・昇格の評価の基準を変える。従来は同じ 基準であった」(101名~300名、その他メーカー)
「4月より管理職層について一部改訂。結果よりもプロセスを重視する考課性度になる」(501名~1000名、教育)
「目標管理制度における目標達成度評価と行動評価のバランス見直し。目標設定における設定項目。行動評価における評価内容と基準の見直し」(301名~500名、その他サービス)
「優秀人材への分配がさらにできる業績連動型賞与制度を導入。そのためにも適正な評価制度が必要となる」(101名~300名、ゲーム・アミューズメント・スポーツ施設)
「役割基準と、スキル基準。現在価値が処遇に反映する仕組みにする」(101名~300名、情報サービス・インターネット関連)
図表14:現在、人事考課制度の改定を予定しているか
経営幹部人材と、チャレンジ人材・ミドル人材の育成が課題
「社員の傾向として感じているもの」という設問に対し、もっとも多い回答は「経営幹部候補が育っていない」で何と57%と過半数を大きく上回っている。続いて多いのは「チャレンジ精神が減っている」(45%)と「課長職クラスの負担が重くなっている」(44%)であり、40%台になっている。
30%台の項目は「自発的な活動が減っている」(37%)、「部署間のコミュニケーションが減っている」(35%)、「職場での人材育成の意識が薄くなっている」(32%)。
もっとも低いのは「コンプライアンス意識が薄くなっている」の5%であり、コンプライアンス意識について問題はなさそうだ。「中高年層の活躍の場」、「部長クラスの負担」、「新入社員の戦力化」などの項目も低い。
どうやら人事の感じている社員の問題は、経営幹部人材育成とビジネスチャレンジ人材、ミドル人材(課長職)ということになりそうだ。
図表15:社員の傾向として感じているもの
規模が大きくなるほど、企業風土改革への取り組み比率が高い
「現在、企業風土や組織変革に取り組んでいるか」という設問の回答には規模別で違いがある。「取り組んでいる」という回答が「300名以下」では35%、「301名~1000名」で38%、「1001名以上」では50%。規模が大きくなるほど取り組み比率が高くなっているのだ。
規模が小さいと、社員同士の会話は多く、文化や価値観は自然に共有されるだろう。その一方規模が大きいと、自部署の人間との会話があるが、他部署と接触する機会は少なく、縦割り組織になる可能性が高い。
実際の取り組みでも、他部署とのコンタクトを促進する施策が多い。施策の一部を紹介しよう。
「各職場単位での懇談会の実施奨励と、部門単位でのワールドカフェなどを活用した活性化施策の推進。社長によるビジョンカフェ(ビジョン達成に向けた講話+ビジョン達成の
ためのフリーディスカッション)や、ブランド浸透のための人づくり活動の推進」(1001名~5000名、鉄鋼・金属製品・非鉄金属)
「コミュニケーション力、協働意識のUP」(101名~300名、その他メーカー)
「1~2回/月の ワイガヤ会議(コミュニケーション会議の定例実施)」(301名~500名、その他メーカー)
「全従業員に対してボランティアを募り、毎月末に会社近隣の清掃活動をおこなっている」(501名~1000名、輸送機器・自動車)
「事業部制による利益追求の時代が続いたため、横のつながりがなくなっていた。横串を通す意味でも、人事異動、部門交流のイベントを実施」(101名~300名、情報処理・ソフトウェア)
図表16:現在、企業風土や組織変革に取り組んでいるか
戦略性が高いものを人事課題として意識
「人事部門の重要課題」を訊いたところ、ダントツに多いのは「経営戦略に沿った人事制度・施策の企画」で72%に達した。ほとんどの人事が経営戦略を意識し、戦略に沿った施策を実行としている。
続いて多いのは「人材育成プログラムやシステム開発」(51%)、「経営戦略構築への参画」(38%)だ。
「売上・収益向上への寄与」、「専門知識・スキルの習得」、「グローバル人材の採用・育成」、「労務コスト管理」はいずれも30%未満であり、「個別の労働条件の相談対応」に至っては13%ととても低い。
日常業務に類することや必要スキルの取得などを課題として設定せず、戦略性が高いものを課題として意識しているようだ。
図表17:人事部門自体の課題として重要だと思われるもの
労務屋から経営に寄り添う人事へ
「人事部門の機能・役割は変わる必要があるか」という設問に対し、回答企業の65%が「変わる必要がある」と答え、「変わる必要はない」という回答企業は12%だった。つまり大多数の企業は変革の必要性を認めている。
ただし今回の調査では業種と規模別で差が出ている。メーカー系の「1001名以上」(73%)と「301名~1000名」(77%)はとても「変わる」が多いが、「300名以下」は58%と少なくなっている。
非メーカー系を見ると、「300名以下」は69%が「変わる」でかなり多いが、「301名~1000名」では54%、「1001名以上」では60%と低くなっている。
では「変わる」と回答した企業は何を変えようとしているのだろうか?
コメントを読むと、硬直した労務屋から脱して経営に寄り添う人事を目指しているように思える。
「管理部門は、変化することに抵抗があるが、革新的に物事を捉え対処していかなければ、グローバル社会での競争に打ち勝てる人材の育成ができない」(501名~1000名、輸送機器・自動車)
「経営に即した人事戦略を実行する」(51名~100名、情報処理・ソフトウェア)
「より経営に近いところでの人事政策が必要であると思います。現況の人事の為の人事ではなく、経営の為の人事をより意識しなければならないと考えています」(1001名~5000名、精密機器)
「労務屋(事務屋)だけに終わるのでなく、TOPの想い(経営計画書に書かれていること)を、平易な言葉で全従業員に伝えて理解してもらい、人間性を重視しつつも、時代の流れに取り残されることのない企業活動が出来るように持っていくことが大切だと思う」(101名~300名、医薬品)
図表18:人事部門の機能・役割は変わる必要があると思うか(メーカー系、規模別)
図表19:人事部門の機能・役割は変わる必要があると思うか(非メーカー系、規模別)
【調査概要】
調査主体:HR総合調査研究所(HRプロ株式会社)
調査対象:上場および未上場企業の人事担当者
調査方法:webアンケート
調査期間:2013年3月4日~3月14日
有効回答:224社(1001名以上 52社, 301~1000名 68社, 300名以下 104社)
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