上司・部下間の“業務外コミュニケーション”の実態とは？ 「プライベート」や「趣味」の話をする人が多数派に

部下との「プライベート」や「趣味」の話題を積極的に交わしている傾向

リモートワークや在宅勤務の普及に伴い、社内コミュニケーションの希薄さが課題となるケースも増えている現代。働き方の多様化やハラスメント意識の高まりなどもあり、上司・部下間のコミュニケーションにも難しさを感じている人が多いだろう。実際に、部下を持ちマネジメント業務に携わる人たちにおける、部下とのコミュニケーションの実情はどのようになっているのだろうか。

はじめにシーベースは、「部下と業務以外の家族やプライベート、趣味などの話をするか」について、「あてはまる／あてはまらない」の形式で尋ねた。すると、「あてはまる」が9％、「ややあてはまる」が29％で、合計すると38％と4割に迫った。一方で「あまりあてはまらない」は15％、「あてはまらない」は7％で、合計は22％と「あてはまる」の約半数の結果となった。

同結果について年代別に比較すると、「あてはまる」、「ややあてはまる」の回答は30代が5割以上でトップとなり、50代が約3割で最も低い結果になった。なお、30代は「あまりあてはまらない」、「あてはまらない」の回答の合計も少なく、同社は「部下とのコミュニケーションにおいてプライベートや趣味の話題を積極的に交わしている傾向がうかがえる」としている。

また、従業員規模別に比較すると、従業員規模が大きくなるほど「あてはまる」、「ややあてはまる」の割合が増加傾向にあることがわかった。

飲食を伴う懇親の場を定期的に設けている組織や企業は少なくなっている

次に、「部下とのランチや飲み会など懇親の場を定期的に設けているか」について尋ねると、「あてはまる」（7％）もしくは「ややあてはまる」（23％）と回答したのは全体の約3割だった。対して、「あまりあてはまらない」（18％）もしくは「あてはまらない」（13％）とした人の合計は31％と、やや上回る結果となった。これに対し同社は、「コロナ禍による変化、さらに職場の価値観が多様化する中で、組織において飲食を伴う懇親の場を定期的に設けている組織や企業は少なくなっている」との見解を示している。他方、「どちらともいえない」が4割を占めていることから、懇親の場を不定期に設定していることもうかがえた。

年代別に見ると、「あてはまる」および「ややあてはまる」を足した割合が最も多かったのは20代で、約4割となっている。年代が若いほど、「あてはまる」、「ややあてはまる」の回答が多い傾向があった。

従業員別では、中規模の企業において「あてはまる」、「ややあてはまる」が最も少ない結果となった。

4割以上が部下から“業務に関する悩み相談”を受けている

続いて、「部下から業務に関する悩みの相談を受けることがあるか」について尋ねると、「あてはまる」が11％、「ややあてはまる」が32％で、合計すると43％となった。

年代別では、「あてはまる」、「ややあてはまる」を足した割合が最も多かったのは30代で、半数以上となった。また、全年代において4割以上の人が部下から業務に関する悩み相談を受けていることがわかった。

従業員別に見ると、企業規模が大きくなるほど「あてはまる」および「ややあてはまる」との回答が増加する傾向があることがわかった。

“人生相談”は若手マネジメント層の方が信頼高く

最後に同社は、「部下から業務以外のプライベートに関する悩みの相談を受けることがあるか」を尋ねた。すると、「あてはまる」は8％、「ややあてはまる」は25％で、合わせて33％だった。前問で「部下から業務に関する悩みの相談を受けることがある」とした人（43％）と比較すると、10ポイント以上低い結果となった。

年代別に見てみると、「あてはまる」、「ややあてはまる」の合計が最も多かったのは20代で約45％、40～60代では3割にとどまった。個人の働き方に影響を与えるライフイベントやプライベートも含めた人生相談に関しては、若手マネジメント層の方がより部下から信頼を得ている傾向がうかがえる。

従業員規模別では、最大規模において「あてはまる」、「ややあてはまる」を足した回答が34％と最も多くなった。