「KPI」とは、Key Performance Indicatorの略で、重要業績評価指標と訳されています。業務の達成度合いを計る補助的なもので、定量的に計測するもので、この指標のことをPerformance Indicator(業績評価指標)といい、その中でも最も重要なものを指します。

経営戦略にも日常業務にも使われるKPIは、目標を定め、その目標を具体的にするための手段を策定し、その手段がどれくらい進行しているのかを定量的に測定します。

KPIと併用して使われるのがKGI(Key Goal Indicator)で、重要目標達成指標と訳されています。KPIは、そのプロセスを定量的に計測するのに対し、KGIは達成すべき目標を定量的に計測するもので、KGI達成に向かって、その過程が適切に実行されているか中間的に測定するのがKPIといえます。

よく使われる例としては、KGIは売上高の目標設定で、その目標を達成するために、日々の売上高を計測していきます。定量的に計測する事により、目標達成まであとどれくらいか明確になってきます。その目標を達成するには、何をどれだけやったらいいのか、それぞのれプロセスを明確にし、より具体的な指標を出す、それがKPIです。この場合は、日々の引き合い案件数や顧客訪問回数などを定量的に測定する事により、どうすれば売り上げが目標に到達するのかが見えてきます。

KPIを設定するにあたっては、SMARTを用いることがあります。Specific(明確性)、Measurable(計量性)、Achievable(達成可能性)、Result-oriented or Relevant(結果指向または関連性)、Time-bound(期限)の頭文字をとったもので、これをこの要素を鑑み、設定をすると、効果的といわれています。プロセスは10個以内におさめるのが良いとされ、ポイントをおさえた指標を作成する事が、KGI達成への近道と言えます。

KPI設定について、陥りやすい問題としては、KPIが複雑すぎたり、趣旨の徹底が甘いことによる、KPIの形骸化で、苦労して設定したものの、設定内容の理解不足により、KPIをあまり意識せずに行動してしまい、KPIとKGIの因果関係が薄れ、目標達成から遠ざかってしまう場合があります。目的からずれることなく、設定を明確にし、従業員またはチーム内全員で、プロセスの設定に携わるなどの工夫が大切になってくるといえます。また、定量的に測定し、データを集め分析することで、プロセスが明確になってくるといえるので、一度設定すると、変更するのは難しいでしょう。しかし、定期的に見直し、柔軟性をもって設定する事が大切であるので、しっかりとした準備が必要でしょう。

KPIは、バランススコアカードの設定にもよく使われます。バランススコアカードとは、ビジョンや戦略を明確にすることで、数値の結果だけではなく、状況や環境などから、バランスのとれた評価を行う手法で、バランススコアカードを利用する事で、戦略の遂行状況を測りながら、プロセスを強化し、目標の達成に近づけます。

KGIやバランススコアカードを関連付けながら設定し、プロセスを数値化することで、客観的に目に見えるかたちとなり、目標に向かってどのように進んでいけばいいのかが明確になります。