「インフォーマル組織」とは、好意的な感情や関心などによって自然発生的に形成される集団のことです。社内クラブやサークル活動、食事会などがこれに当たり、部署や部門などの企業内で公式に定められた集団「フォーマル組織」と対比して用いられます。

インフォーマル組織によって社員間でのコミュニケーションが活発化することで、社員のストレスケア、人脈形成、仲間意識・帰属意識の醸成につながり、業務の効率にも好影響がもたらされるとされています。1924年から1932年まで行われたホーソン実験の結果でも、インフォーマル組織内での人間関係が労働意欲に大きく作用することが指摘されました。

新型コロナウイルスの影響で社内でのコミュニケーション不足が叫ばれる近年では、連帯意識や帰属意識を高めるインフォーマル組織の重要度が再認識されてきています。

ただし、愚痴を言い合うだけだったり、上下関係が厳しく風通しの悪かったりするコミュニティは、社員のストレスの原因になり得ます。うまく機能しないインフォーマル組織は、従業員のモチベーション低下を引き起こし、会社の業績に悪影響を及ぼしてしまう可能性があることに注意が必要です。