6割が「現在の会社でずっと働き続けたい」と考えている
エンゲージメントには、代表的なものとして、個人と仕事との関係に注目する「ワークエンゲージメント」、個人と組織の関係性に注目する「従業員エンゲージメント」の2種類がある。昨今では多くの企業が、人材定着や生産性向上を目指してそれぞれの数値改善に取り組んでいるが、現在の経済状況下で従業員の意識は変化しているのだろうか?まずJMAMは、従業員の会社に対する信頼や貢献意欲などを表す「従業員エンゲージメント」に関して、いくつか尋ねた。その結果、各質問に対する「YES」との回答の割合は、「会社が好きか」では56.2%、「会社に行くことが楽しみだと感じるか」では51.2%、「会社は従業員を大切にしていると思うか」では63.9%となった。いずれも半数以上を占め、2019年調査と比べてそれぞれ10%以上増加している。
一方で、「現在の会社でずっと働き続けたいか」という問いに対する「YES」との回答は、2019年が62.2%、2023年が61%と、5年前に比べて微減となった。
「ワークエンゲージメント」は2019年と比べて上昇傾向
次に、仕事の活力、熱意、没頭などを表す「ワークエンゲージメント」に関する項目として、「仕事」について尋ねると、「好き」(64.6%)、「没入できる」(66%)、「やりがいを感じられる」(63.9%)、「満足している」(61.8%)となった。いずれも全体の6割が肯定的な回答を選択しており、2019年と比べてもすべて増加傾向が見られた。「ワークエンゲージメント」に影響を与える要素は「強みを活かすことができる」、「成長を実感できる」など
続いてJMAMは、「従業員エンゲージメント」と「ワークエンゲージメント」について、それに関連する11の要素(仕事、企業理念・経営層、職場、上司、同僚、チーム、事業・サービス、教育・研修、報酬・評価、働き方に関する制度、健康)の相関係数を算出している。すると、「従業員エンゲージメント」と「ワークエンゲージメント」に特に影響を与えている要素として、「仕事」、「企業理念・経営層」、「職場」の数値が高いことが明らかとなった。中でも、一番関連が強いのは「ワークエンゲージメント」と「仕事」で、相関計数は0.89となった。
組織の状態を把握すべく「エンゲージメントサーベイ」を定期的に実施している企業は多いだろう。今回の調査結果を参考に、自社の状態やスコアと比較してみてもいいかもしれない。