約8割が「コロナ禍で仕事に対する価値観などが変化した」と回答
新型コロナウイルスの流行から、働く人の仕事に対する価値観や会社に期待することなど、労働を取り巻く環境および意識が大きく変化している。アメリカでは“大離職時代”(Great Resignation)が到来し、企業活動に大きな影響を及ぼすことが示唆されている。そこでパソナは、日本、アメリカ、カナダ、香港、韓国、台湾、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インドの12ヵ国・地域において“大離職時代”がどのように企業に影響をもたらしているのか、現地の日系企業に対し調査を行った。まず、同社が「コロナ禍を経て、従業員の仕事に対する価値観や会社への要望・期待が以前と比べ変化していると思うか」と尋ねた。すると、全体の79%が「変化した」と回答した。
約4割の企業では、コロナ前に比べ離職者が「増加」
次に、同社が「コロナ禍前と比較して、直近の離職者数は増加または減少したか」と尋ねた。その結果、「増加」が39%、「変化なし」が55%、「減少」が6%だった。また、離職者の状況についても調べると、組織階層が下位レベルの従業員、入社年次が少ない従業員ほど、離職者数が「増加」する割合が大きかったという。
直近1年では、コロナ禍前に比べて「働き方」を理由に離職する割合が11ポイント上昇
続いて、「『コロナ禍前』と『直近1年』の離職理由の上位3つ」を同社が聞いたところ、いずれもトップ3の項目は同様だった。ただし、その割合には変化があり、1位の「給与」は63%から60%に、2位の「キャリアアップ」は53%から47%に、3位の「業務内容」は40%から37%にそれぞれ減少した。一方で、コロナ禍前より直近1年で数値が増加した項目もあり、特にその差が顕著だったのは「働き方」で、15%から26%と11ポイント上昇した。
人材マネジメントの難化を実感する点は「従業員のモチベーション維持」が最多
次に、コロナ禍で人材マネジメントの難易度にも変化があったかを調べるべく、「人材マネジメントにおいて、コロナ前と比較して難しさを感じている点はあるか」と同社が尋ねた。その結果、全体の7割が「ある」と回答したという。また、「難しい点がある」とした人に「具体的にどのような難しさを感じているか」を尋ねると、「従業員のモチベーション維持」が59%で最多だった。以下、「従業員の働き方に対する考え方」が53%、「人材の定着」が42%と続いた。