人材アセスメントを実施する目的・課題は何だろうか。飛び抜けて多いのは「昇進・昇格時の選抜」(63%)で、それに続く「経営人材選抜」と「適正配置」はともに33%である。さらに、「マネジメントスキルの向上、マネージャー育成」(17%)の目的にも人材アセスメントは使えるし、「営業スキルや技術スキル等、職務スキル・能力の見える化」(15%)、「グローバル人材選抜」(13%)にも役立てることができる。
効果がどうかについては、1001名以上の企業では約8割が、効果があった、またはまあまま効果があったとしており、大手企業では人材アセスメントの満足度が非常に高いようである。人事担当者のフリーコメントを見ても、「昇格した人材が、その役職で不適格になるケースがない」、「同一基準で評価できる」、「診断結果は納得できる内容であり、次のアクションにつなげることができた」、「選抜、昇格、昇任等の基準を一本にできた。複数者の意見によって客観性を高められ、人事部門として人材情報が飛躍的にアップした」と、評価する声が多数寄せられている。
人材アセスメントの支援サービス会社を選定する基準を聞くと、「診断結果のわかりやすさ」(43%)が最多であり、「診断結果の詳細さ」(33%)も重視されている。「価格」(37%)も選択基準となるが、「カスタマイズ力」(33%)、「コンサルタント」(30%)も大事である。「取引実績企業」(33%)が上位にあるのは、昇進・昇格に直結するとあって信頼性を求めるからだろう。
診断結果がわかりやすく、詳細であることはもちろん大事だが、人材アセスメントデータは昇進・昇格などの際に一度使って終わるのではなく、その後も能力開発などのために活用していきたい。自社の人材の能力傾向を分析して育成課題を明確にできれば、必要な施策を打つことが可能になる。そうした面のコンサルティングやサービスメニューが充実している会社を選ぶと、継続的に大きな成果を上げることにつながっていく。
外部の専門家の視点を加えることで、客観的で公正な評価を行うことができる人材アセスメントは、昇進・昇格の精度を上げたり、診断結果を活かして人材育成を効果的に進めたりする上で大いに役立つ。まだ導入していない企業、導入しているが効果を実感できていない企業には、自社のニーズに合ったサービスを提供してくれる支援サービス会社をぜひ見つけていただきたい。