企業、学生、学校の視点より、現在の就職問題の本質や課題、解決策を考察する。

2014新卒採用動向分析、2015新卒採用の動向予測により、企業、学生、大学の動きや考え方を浮き彫りにすると同時に、2016卒採用に向けた政府提言(採用時期の繰り下げ)の影響についても言及。現在の就職問題の本質や課題、それを解決するための抜本的な施策を、HRプロ代表 HR総合調査研究所 所長 寺澤 康介が提言する。

2014新卒採用における動向分析

2014新卒採用総括&2015新卒採用の大胆予測
12月に採用広報を開始して2年目を迎えた2014新卒採用では、12月に合同セミナー、学内セミナー、個別セミナーなどの集中度が増した。しかし、学生は12月以前に企業との接触が制限されていることもあり、就職意識が高まらない状況にあったため「この学校でもこのレベルか」という採用担当者の声を良く聞いた。

採用人数は、景気回復で質を伴う量の採用に不安を感じている企業は多いが、文系の採用数は伸びず、理系は伸びた。

採用活動の短期化の中で、大学ターゲティングが一層進んだ。ターゲット校は20校以下に絞り、学内セミナーや学校対策を強化する動きが目立つ。今後の学校対策をどう差別化していくかがキーポイントになると思う。

景気回復に向かい大手や人気のBtoC企業に人気が集中した。しかし、就活の短期化によって学生は多くの企業を見られないため、大手とその他との母集団形成における格差は拡大した。

学内セミナー、個別会社説明会がピークを迎える2月には、短期化のため学生の動機形成が不十分だった、しかし、企業はそれを補うためリクルーター活動、社員参加の懇談会など接触度を増す対策を講じ、4月の解禁と同時に早期内定を出す企業は多かった。学生も不安心理から、早く内定が出た企業に決め、重複内定の学生は減少した。
学校群によって内定格差は昨年同様あった。ただし、中堅中小企業の選考も前倒しされ、中下位校の内定率は改善傾向にあった。

今後、中小企業の採用においては「地域中小企業の人材確保・定着支援事業」「新卒者就職応援プロジェクト」などといった、今の政府の支援策により改善していくのではないかと思う。

2015新卒採用における動向予測

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