現場からラーニングの機会が消えている
本日は最初に日本のOJTの特徴と課題を考え、最後に人材育成企業の15要件の概要をご紹介しようと思います。この15要件は昨年に沖縄県のプロジェクトで多くのヒアリング調査を繰り返してまとめたものです。
本日は最初に日本のOJTの特徴と課題を考え、最後に人材育成企業の15要件の概要をご紹介しようと思います。この15要件は昨年に沖縄県のプロジェクトで多くのヒアリング調査を繰り返してまとめたものです。
さて本題に入りましょう。日本の人材育成は、企業内での人材育成、それもOJT中心で行われ、「仕事をしながら仕事を覚える」ものでした。しかし現在のOJTは機能不全に陥っています。機能不全の理由のひとつは仕事内容が変化したことです。
たとえば技術者は故障を直すことで学び、成長します。わたしは航空工学科から国鉄に就職し、国鉄時代は故障の修理にも立ち合いました。しかしいまのJRの電車のモーター網や航空機のエンジンは故障しないのです。仮に故障したとしても基板を取り替えるだけで、ラーニングの機会はありません。先輩たちが育った時代とは違っているのです。
営業現場でも「提案」「ソリューション」が大事だと言われます。しかし上司はそういう営業をしたことがないのです。やったことのないことを教えられないのは当たり前です。
たとえば技術者は故障を直すことで学び、成長します。わたしは航空工学科から国鉄に就職し、国鉄時代は故障の修理にも立ち合いました。しかしいまのJRの電車のモーター網や航空機のエンジンは故障しないのです。仮に故障したとしても基板を取り替えるだけで、ラーニングの機会はありません。先輩たちが育った時代とは違っているのです。
営業現場でも「提案」「ソリューション」が大事だと言われます。しかし上司はそういう営業をしたことがないのです。やったことのないことを教えられないのは当たり前です。
職場での育成意欲が薄れている
OJTの前提には長期雇用に基づく世代継承性の連鎖がありました。「育ててもらった。俺も後輩の面倒を見る」というわけです。そしてOJTは教える側の意欲が強い間はコストが表面に表れないので、対費用効果が高かったのです。ただし意欲が薄れると劣化しやすいのがOJTです。現代の職場ではダイバーシティ化が進み、男性正社員だけでなくいろんな人がいます。非正規比率は高まっていますが、いずれ辞めるのだから育成に力を入れません。女性もいずれ結婚・出産で辞めるから育てない。つまり職場での育成意欲は低下しているのです。